農園日誌ー待ち望んだ冬の雨

25.12.11(水曜日)曇り、時折晴間、最高温度10度、最低温度3度
 
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    中九州の大分に久方の雨が降るということで、一斉にトンネルを剥ぐ
 
普段、トンネルをかけているために野菜が見えないが、緑の姿が久しぶりに見えた
成長している奴、虫に喰われている奴、遅々として成長しない奴、トンネルの中で
も様々な生き残りのドラマが垣間見える。
片一方では、ピーマンなどの夏野菜を撤去して、即日堆肥撒き、畝たて、種蒔きを
行う。こちらのほうは、農園の若い力がぼちぼち慣れてきている。
竹内君はすでに6ヶ月目、後輩の後藤君に指導する立場へと変わっている。
人に教えるということは、教わる人の10倍以上の知識が必要。教えながら、逆に
教わるというのが正しいのかもしれない。
 
翌日、待望の雨が降り、野菜達も何だかうれしそう。これでしばらくトンネルの水遣り
をせずに済む。人間の数十倍の労力をたった一晩の雨で終える。まことに自然の
力は頼もしい。剥ぐったトンネルをまた閉める。
痛んだトンネルの修復作業と、今から3月までこのトンネル管理が続くこととなる。
 
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こちらは、味噌用の大豆を乾燥させて、脱穀作業。瓶で叩いたり、石にぶっつけて
脱穀している。かなり原始的な作業。
 
イメージ 3とうみでごみを飛ばす作業。
新人の竹内君の雄姿?
最初は恐る恐るではあったが、
写真に撮ると、もう何年もやって
いるかのようなこの風格・・・!
 
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それで採れたのが右の写真、トレイに二杯
のみという少なさ。これをさらに選別して、
ようやく味噌用の大豆となる。勿論正真正銘の
自然農の大豆。これらの作業を経て、手作り
味噌となる。
 
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遅すぎた白菜、それでもこんなに大きく   芽吹いて二週間目のほうれん草、
育ってくれている。                     まだ、本葉は出ていない。
 
これから本格的な冬を迎える。トンネルの数は70張りを超える。一張りに60本の
竹の支柱、押さえを使うとして、合計4,200本の竹の支柱が必要となる。
一日に一人が50本作れるとしても、84日を要する計算となる。これだけでも大きな
財産となる。農園を開いて12年目、年月の重みを感じる今日この頃。
 
この農園で培った草木堆肥農法を次世代に伝える。それを受け継ぐ若者がまた、
一人、加わりそう。後藤君の友人であるその女性は、長野で養蚕から織物までを
目指していた子でしたが、その子のおばあちゃんがキムチなどの漬物が得意。
そのDNAを受け継いでいるのか、ここで、白菜・大根のキムチを含めて、青梗菜
小松菜などのキムチ、それも日本ナイズした漬物の構想などを示唆した処、
少し、閃いたようで、先が楽しみになってきた。
 
この農園は代々受け継いできたおばあちゃんの伝統の味や製法を後世に残すと
いう取組も一つのテーマとなっており、人材が揃い、生産力さえつければ、無限の
可能性が見えてくる。
この子達の豊かな将来を願わざるを得ない。そのためには、後、一踏ん張り、頑張
るしかない、と自分に言い聞かせる。
明日からさらに寒さが募る。今週末の日曜日には農園セミナーを開く。