農園日誌ー冬は堆肥作り

25.11.27(水曜日)曇り時々晴れ、最高温度15度、最低温度6度
 
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                   剪定枝の分別作業
 
数ヶ月間寝かせた剪定枝置場には一杯の葉が落ち朽ちて腐葉土に近くなります。
その中から固い枝を分別し、破砕機にかけるものと焼却するものに分けます。
この作業が延々と続く。なにしろ、幅3m、高さ2m、長さ25mの剪定枝置場の山。
 
イメージ 2焼却した灰は、焼き灰として貴重な
ミネラル分の宝庫。畑に撒きます。
冬はこの中で焼き芋をすると美味しい
 
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刈り取った草を約80㎡に均等に敷き詰
め、その上に寝かした牛糞を薄く撒く。
草木堆肥の発酵促進剤となる。
 
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さらにその上に、剪定枝から分けた腐葉
土や枝の破砕屑を敷き詰める。
これで、草・牛糞・葉や木が三層に重なる
それをトラクターのロータリーで混ぜ合わ
せ、タイヤショベルでうず高く積み上げる
 
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約一ヶ月寝かせて、堆肥温度が下がったら、二回切り返して、中熟堆肥となる
(第一次発酵は70度を越える)
この間、堆肥の中では数百京といった
単位で微生物や放線菌の分裂増殖
というドラマが繰り広げられる。
この堆肥作りは原料の収集から選別・破砕作業から始まり、堆肥作り、切り替えし
最後に堆肥振りで終わる。
このような堆肥作り作業を毎月一回は行い、特に冬場は、毎週の作業となる。
春作野菜のために作り溜める。
 
この草木堆肥は先人達の叡智であり、日本人は山に囲まれた土地で、そこからの
大自然の恵み(草・木・葉・水)を上手に活用して農産物を作ってきた。
近代は機械化が進み、中型破砕機・タイヤショベル・トラクターなどが使え、随分と
楽に草木堆肥が作れるようになった。
(先人達はこの草木を1~2ヵ年寝かせて堆肥としていた)
できるだけ、自然の野山の土に近づけるため、当農園は基本的にはこの草木堆肥以外には使わない。そのため、大量にこの堆肥が必要となり、常に焼き灰も作り続
ける。
一連の堆肥作りだけで、現在農業の世界ではすでに畜糞主体の有機農業とは
比較にならないほどの高密度労働となる。
まして化学肥料に慣らされた現在の農人達には、どうやら想像を絶するほどの
労働密度と映っているようで、中々に同行者ができないのは残念というしかない。
 
これも農産物流通の世界では、野菜の美味しさはタダ同然で、栄養価の高い野菜
は何の評価も受けない。そこでは均等な規格サイズと見え形しか要求されない。
その流通の仕組みや消費者の固定観念や知識不足及び関心の薄さが手間や労力をかけるこのような野菜作りを試みる農人が増えない要因になっているのか・・
あるいは、既存の農人達では、高い労働密度を敬遠し、楽な農業を身に着けて
しまったことがその要因なのか、とも思ってしまう。
 
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二番の畑のセロリと
その奥の芽キャベツ
 
草木堆肥を最も多く
長く使用した二番の畑
そこで育つ野菜達の
元気の良いこと夥しい
 
私のちっぽけなグチなど
まるで意に介していない
ようで、淡々とこの寒空
の中、育っている。
まことにたくましい。
 
 
それでもやはり急な寒の訪れは堪えているのか、今年のセロリは上に伸びず、
地面に這うように育っている。
毎年姿の違う野菜達、何年やっても同じように成長した試しは無い露地野菜に、
教えられることは真に多い。また、新しく学ばされた思いがする。