農園日誌ー秋冬野菜の植え込み

25.11.21(木曜日)晴れ、最高温度14度、最低温度6度
 
イメージ 1
                    玉葱の植え込み
 
農園は夏野菜の撤去が急ピッチで進み、畑の風景も一変し、秋野菜の種蒔き、
来年用の玉葱、キャベツ、ブロッコリーなどの冬野菜の風景に移り変わりつつある。
早霜が降り、トマト、伏見・万願寺とうがらし、ピーマン、じゃがいもなどの葉は、
次第に萎れ始めた。来週の今頃は寒の到来で一斉に落ちていると思われる。
今年のこの時季は端境期と秋の高温障害で、秋野菜のダメージが甚大。
それでもようやく、大根系や蕪類の一部が肥大し始めており、1~2週間で出荷に
漕ぎ着けそうだ。(すでに一部は出荷中)
 
イメージ 2味一番(紫大根)
(一部には白も混じる)
 
来週頃には出荷し始める
予定。
これは異常な虫の発生で
ほとんど全滅の危機では
あった。葉が傷み、成長が
遅れたが、何とか食い止め
この秋、貴重な一品となる
 
摩り下ろして薬味にすると
実に美味しい。私の好物
でもある。
 
先日、近々当農園に研修に入る福岡の後藤君の知り合いの女性が農園に訪れる
聞けば、長野にて桑を育て、繭を取り、絹糸を作り、絹織物を編む先生に弟子入り
しているそうだ。
給金はゼロ、アパートに暮らし、滅私奉公という形だそうで、明日の生活も難しい
状況の模様。絹織りの美しさに魅せられ、そのような生活を選んでいるようだ。
若い特権でもあるが、先が見えない不安は抱えているようだ。
絹の業界は生きていくことそのものが難しく、その先生も給金を出せないのが
現実ではないかと、ふと、思う。
 
私は銀行出身であるためか、「お金の匂いのしない事業や仕事は続かないし、
してはならない」という思いは強い。
彼女に「人間は何のために生きているのか」と質問する。
この(こ)娘は、頭の良い子のようで、しばらく考えていたが、「生きるためですか」と
答えた。
「そうですね。人間は生きるために生きているのです。それは野菜も一緒です」
「生きるためには、食が要り、お金もある程度は要りますから、お金の匂いのしない
仕事を選ぶということは、結局、自分自身の足で立てないということですね」
「今の経験は決して無駄にはなりません。無駄にはなりませんが、未来に投資する
にはもっと適した、有効な仕事もあるように思えますね。野菜作りなどは、食の分野
ですから、生きることに繋がります。自然との語らいは、お金儲けにはなりませんが
食べていくことは出来ますし、心はセレブ層より、裕福になると思いますが」
 
彼女の心になにかしら、もたらしてやれていれば良いのですが・・・
 
イメージ 3
農園の夕暮れ、
三番の畑。
 
とうがらしの竹の棚
も撤去され、小松
・青梗菜・蕪類など
の新たな命の種を
蒔く。(白い布)
 
一雨くれば、ビニー
トンネルを張る。
二三週間もすれば
ここは一面の白い
世界へと変わる。
 
イメージ 4
 
三番の畑の隅に
ポツンと残った
ピーマン・セニョリータの
竹の棚。
 
早霜にも何とか耐えて
いる夏野菜。
 
ここの土も草木堆肥歴
7年を超えた。
さらさらとした土に変わ
っている。見るからに
うまそうだ。
 
 
 
これから4ヶ月は様々な野菜の緑とビニールトンネルの白色に覆われる「静」の
世界へと変わる。
私はこの時季が一番好きだ。