農園日誌ー早すぎる寒の襲来

25.11.13(水曜日)晴れ、最高温度15度、最低温度8度
 
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             竹田の岡城址、孫達にせがまれて、
 
この岡城は、難攻不落の名城。秋の紅葉と春の青葉が美しい。
ほとんど90度の傾斜に石垣を築き、その高さたるや、70~100mに及ぶ。
先人達の技術力の高さに行く度に感心させられる反面、一体何人の百姓達が犠牲になったのでしょうと、つい、考えてしまう。
 
今年の冬の寒さが思いやられる急な冷え込みに、今まで夏野菜があんなに元気に
育っていたのに、来週は間違いなく、皆一瞬に萎れてしまう。名残のトマトを見る
度に、寂しさを感じる。
 
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農園は今、玉葱の植込み
の時季に入っている。
ここ5番の畑では5千本の
玉葱を植え込んだ。(写真)
これから、3万8千本の
苗を植え込む。
気が遠くなるような作業
が続くことになる。
植込みから収穫までに
6カ月を要する。
それでも、170余名の顧客
に送ると6カ月しかもたない
これ以上は植えられない。
 
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九条葱の土寄せ作業
まだ3畝は作業未了。
今、出荷中の一本葱(白葱)
が12月中には終わり、
(実に美味しい)
来年用の葱となる。
 
これから寒に当たり、徐々に
成長していく。これは分蕨す
る品種。
1月頃からの出荷となる。
香り高い葱となる。
 
 
 
今日、大阪から電話があり、野菜の問い合わせであったが、スーパーで購入する
野菜が皆苦く、食べられなくなってしまったそうだ。
それは、化学肥料で急速に育った野菜だと思われる。農薬がかかって苦くなること
はない。(毎週使用しない限りはですが)デンプン質の塊りで、急速に成長した野菜は糖質やビタミン質の野菜となるから苦く感じてしまう。(デンプンは苦い)
次に、失礼な質問ですが、との前置きがあり、他の地域の野菜は混入しないです
か?との質問が寄せられた。
 
大都市の消費者は、常に産地偽装の脅威に晒されているのか、と改めて食の安全
について考えさせられた。(それは地方でも同じなのですが、地方の方々はほとんど
その脅威を感じてはいないようだが!)
「私達を信頼してくださっている消費者の方々は絶対に裏切れないのですよ」と
答える。
 
「安さや見え形に眼がいき、有名な、あるいは、大きな企業だから信頼が出来ると、
信じて、飲食や食材を購入する」このごく普通の購買行動に意外な落とし穴がある
現在の流通社会です。
例えば、天然ものの魚介類を使った料理がそんなに安く提供できるはずも無いのに
有名な飲食店だから美味しいと判断して飲食をする。
提供する側から見れば、どうせ分らないのだから、良いだろうし、こんなに安価に
出せる筈は無いことくらいわかるだろう、と言った思いがあるのはぬぐえない。
 
農産物でも同じことが言える。
安全や美味しさを追求して、様々な苦労をしながら、提供する農家の方もいる。
それが二束三文の安価な価格で流通へ流さざるを得ない農家の人は報われない。
それらの労力や価値に対して、正当な評価をして購入して頂ける消費者が増えな
い限りは、産地偽装は決して無くならない。
「お客様は神様」と言っている会社は、裏返せば、「奉られて、真実は伝わらず」と
いうことになる。
生産者と消費者に上も下もない。あくまでも対等に考えて行動していくことが、真に
相手を尊重していることに繋がるのではないでしょうか。
 
自分自身の舌や価値観を大切にして本物を見極める力をつけるしかないのでは・・
「自分を大切にし、自分自身を信じられない人は、決して本物を見極めることは
できないし、信頼できる人を見極めることはできない」
 
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遅れて種蒔きをした
二番の畑の秋野菜
間に合ってくれれば
と祈る思いで眺める
 
秋の柔らかい光が
畑を覆う。
もっと長くこの暖かさ
が続いてくれたら・・
 
の成長も一ヶ月
ほど遅れている。
 
 
 
 
 
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         岡城址の二の丸跡にて、子供達は何を思うのやら。
         晩秋の夕暮れ時、