農園日誌ー記憶に無い暑さ

25.7.27(土曜日)晴れ、最高温度36度、最低温度28度
 
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           除草・土寄せ・幼苗の手が完了した三番の畑
 
連日の猛暑が続き、一昨日久しぶりに夕立が降り、一息ついた畑の野菜達。
記録的な暑さにひたすら耐え忍んでいた野菜達がこの一雨で何だか嬉しそうに
見える。ピンと張った葉に元気を取り戻した風情がある。
 
いくら猛暑が続いても、この時期は、梅雨の間に固まった土を掘り起こし、畝に
酸素を供給してやらねば、夏野菜は元気に育たない。ハウス栽培ではしない作業
露地栽培では不可欠の畝上げ作業。
2番から5番までの畑は今夏野菜で埋め尽くされており、順次、畝上げ作業が
完了して(ついでに除草作業も)いく。後は野菜達に頑張ってもらう。
 
夏野菜と言うと多くの消費者は7・8月を連想されると思うが、最近の気候の変化
は激しく、いつまでも暖かくならない春と急に訪れる集中豪雨の梅雨、それに
続いて乾季ともいうべき圧倒的な夏の暑さが来る。
むかしのように例年同じ気候はなく、その年でみな異なる。現在の露地栽培は
気候の読み(予測)とそれに対する対処を考えておかないと、野菜が育たない。
実に難しいことになってしまった。
何年経っても野菜作りが難しく、逆に年々下手になっていくような・・・
 
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伏見とうがらしに支柱がようやく
立てられた。
 
例年より半月は成長が遅れている
 
今年は量ができないが、この暑さ
で味はすこぶる良い。
レストランの夏の定番野菜。
個人にも何とか出荷したいと
思うが、全員にまでは今の処は、
行き当たらない。
 
夏野菜の本番シーズン(露地栽培の場合)が8月末頃から10月までとなる。
この本番シーズンは年々遅くなりつつある。
茄子・トマトなどは現在は1・2番成りの出荷であり、例年から比べて1ヶ月は遅い
この様子では、最盛期が9月になるかもしれない。
そうなると、秋野菜は畑が空かず、さらにずれ込んで来て、11月頃になる。
今年の冬の到来は夏が長引いてくると、逆に何だか早そうで、秋野菜の成長する
時間が足らなくなってしまうかもしれない。
 
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まだ木が小さいのに一番成り
のパプリカが色付いてきた。
 
彼らもちゃんと季節は知って
いるのだろう。例年通りの
出荷時季になっている。
まだまだ小さいのに・・
 
人参が終わりに近づき、
何とか色物野菜をと多くは
植え込んだのだが、個人
への出荷は遅れそう。
 
 
当農園の顧客層もすっかり若くなっているようだ。
子育て世代のお客様達が大震災・放射能汚染以降、急増し、関心が高まっている
ことにもよるが、ようやく目覚め始めたという感もある。
それも地域によってかなりの温度差や時間差が顕著に見える。
先ずは、有機野菜なるものを取り始める。そこには有機無農薬という概念(どうや
ら理念が先行する傾向にある)から始まり、無農薬と言う部分を大きく捉え、
農薬は絶対ダメといったところから始まるようだ。(多くの消費者と接する私の経験
からですが)
その内、有機野菜なのに何故きれいなの?という疑問を持ち始める人が出始める
次に、有機野菜ってこんなに味が無く美味しくないものなの?と言う風に感じ始め
る人が出始める。多くの方はここまで行かなくて、途中で有機野菜を取るのを
止められるようだが・・
かくして、極少数の方々が真の野菜(栄養価が高く美味しく安全な野菜)とは何か
という疑問を持ち始め、生産者を観察し、見定め、直接自分の考え方に近い
生産者を探し始める。
 
欧州などはこれらの歴史が長く、賢明な消費者の割合が比較的高く、普及している
のかもしれない。
日本もどうやら本物の野菜の時代が来るのかな?
むかしの日本(100年以上前は本物の有機野菜ばっかりだったのに)は当たり前
のように自然循環農法による野菜を食べていた。有機野菜の歴史は一端欧州に
渡っていったが、再び日本に帰ってくる時代がくれば良いのだが・・・
 
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ようやくピーマンが
実り始めた。
 
 
 
今年のピーマン系野菜は
みな一様に美味しい。
 
 
 
暑いことがみな悪いわけでは
ないようだ。