農園日誌ー雨が降らない!

25.6.7(金曜日)晴れ、最高温度28度、最低温度18度
 
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                    剪定枝の破砕作業
 
堆肥がいよいよ底を尽き、この処、毎日が憂鬱な気持ちになってしまう。
何は無くとも、とにかく草木堆肥が一杯あれば、心が満たされる。
自然循環農法(むかし野菜)にとって、いかに堆肥が貴重であるか、おそらく
通常の農家であれば、何を!と思われるだろうが・・・
 
忙しい中、今日、女性スタッフと出荷作業が終了した6時から一時間ばかり、破砕
作業を行う。明日は五番の畑に刈り取った草を集め、日曜日には少しでも堆肥
作りを進めねば。
 
今週、皆に送った空豆についての問い合わせやクレームが相次いだ。
今年は絹さやえんどう・スナップエンドウとほとんど同時期に空豆が育ってしまい、
空豆の出荷が少し後手に回った。
そのため、殻の表面がやや黒ずみ、おまけに前日雨が降り、湿った状態で袋に
詰めたためか、到着してから常温にて一日でも保管しておくと、殻の中まで黒く
なってしまったようだ。
殻を剥いてしまえば、黒ずんだ豆も完熟しており、洗って食べれば、又、薄皮を
剥けば、豆としての美味しさは充分にあるのだが・・私が子供のころは、空豆
時季になると大量にあり、青い状態で食べたことは一度も無く、ソラマメは殻が
黒ずんだ頃、収穫して、炭酸(ジューソー)で煮て、柔らかくしてから、砂糖煮に
しておやつがわりに食べていた。(勿論、殻の中は真っ黒に変色している)
 
生産者と消費者の感覚の違いと、もう一つ、流通が決めた野菜の評価(表面の
みてくれ)基準の違いが浮き彫りになったようだ。いくら説明してもこの溝は中々
埋まらない。時間をかけて分って頂くしか途はないようだ。
本来の野菜とは?自然の中では野菜はこのように育ち、このような段階の野菜は
このような味や形に変化するなどなど・・根気強く啓蒙啓発の活動を粛々と進めて
いくしかないと自分に言い聞かせる。
 
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一見、美味しそうなレタス系野菜
 
実は、五番の隣の畑を老齢により、
作れなくなったおばあちゃんから
受け継いだばかりの6番の畑で
採れたもの。草木堆肥を一回施肥
した畑。
 
噛むとやわらかいばかりで紙のよ
な食感。まるで歯ごたえが無い。
葉肉が薄く味が無い。
 
野菜の単価は当然ながら、当農園の中では最低価格となる。通常の金ラバル級
のものと比較して60~70%程度の価格となる。(赤ラベル級)
お客様には申し訳ないが、どの畑もこれを経て美味しい土へと変わって行く。
自分達も最近は草木堆肥歴3年未満の野菜を食べておらず、あまりにも草木
堆肥歴5年以上(ほとんどが7年以上)の野菜の味や食感に慣らされてきており、
その味の違いに驚かされるとともに、金ラベル級の土の美味しさに我乍ら感心し
ている。
 
畑はこの処の少雨に野菜が皆戸惑っているようだ。夏野菜は大きくなりそびれ、
成長時期に育たねば、木が小さいままで老化を迎えてしまう。当然に野菜の収穫
量は激減する。
その中で一人元気な奴がいる。トマトです。
 
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トマトの原産地は南米の高原
雨は少なく、乾燥している。
その土地でも元気に育つトマト
は今の日本の気候(少雨)でも
元気に育つ。
 
農園では酸味のある品種、瑞栄、
これは生食用というより、どちらか
というと、加熱する料理に適す。
その酸味が旨みに変わる。
写真はフルーツトマト。これは
生食に適す。
順調に育てば、6月下旬頃から少量出荷となる。
 
明後日はお客さんの一人、みのはらさんが主催の「畑の会」の講師に呼ばれて
いる。かちんかちんの赤土粘土質の土地を開墾するところから始める。
土留めに杉板を使い、草木堆肥を入れ込んで、土作りから始めようと思う。
おそらく家庭菜園志向の方が多く参加されると思われ、実際は、菜園付きの
ガーデン作りになるとは思うが・・むかしとった杵柄、学生時代からプロ顔負けの
ガーデナーでしたので、久方ぶりに腕を振るうことになりそう。(それが実は貧乏
学生時代の飯の糧だったと言う訳で)
 
明日は農園の休日、(私は一年中休み無しですが)堆肥作りのための草集めや
堆肥場の土慣らし作業、トマトの剪定、胡瓜の畝の草取り作業、この暑い中、
焼き灰作りと、何時もと変わらず明日もまた忙しい一日となりそう。