農園日誌ー畑は夏から秋へ衣替え

24.9.28(金曜日)晴れ、最高温度28度、最低温度19度
 
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          畑の片隅を占拠する紫露草ー雑草の中でも繁殖力が旺盛
 
畑は夏野菜が終わりに近づき、涼しさを感知しているのか、実が成っても色付かず
大きくならなくなってきた。いよいよ、落ち野菜のシーズンになる。
そうなると、秋野菜の出荷と行きたい所だが、真夏に種蒔きをした野菜は虫食いだらけ
暑さで成長をしないか、落ちていく。
ようやく朝晩の涼しさで秋野菜の発芽が順調になってきたが、大人になるには、最低で二ヶ月を要する。夏から秋への端境期となる。
 
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中央左はみなが待ち望んでいる
サラダセットの畝(手前からマスタード・辛し水菜ルッコラ・千筋水菜)
中央右は小松菜・青梗菜、
小松菜はかなり虫食い状態。
左は大根、まだまだ覆るには
早すぎたのかもしれない。まばら
な状態。(四番の畑)
 
これらは8月の盆明けに種蒔き
したもの。無事に出荷にこぎつけるか、それが問題。
 
 
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中央は人参(三番の畑)
(7月中旬=8月中旬頃種蒔きしたもの。何とか大人になりそうだ
根は種蒔き適期だったので
まっすぐに育っている)
 
右は一本葱、夏の酷暑を何とか乗り切り、生き残ってくれた。
(2月に種蒔き、定植が5月頃
出荷にこぎつけるには8カ月を
要する)
順調にいけば、10月下旬頃から
の出荷となる。
 
この二・三週間はかなりきつい畑作りの連続に、さすがに夜は気を失うかのように
眠り込む。
 
じゃがいも・人参・セロリ・大根類・蕪系・葉野菜・ごぼう・にんにく・高菜と、畑作りが延々と続いた。女性陣も出荷の他に、種蒔き・植え付け・水遣りの連続。かなり疲れている
今日も暗くなり、足元が見えない時間まで、植え込み・水遣り、よくやってくれている。
毎年のことと言いながら、足腰に来ているようだ。
 
今日で一通りの秋野菜は植え込んだ。やれやれ!
 
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セロリの定植。
11月終わり頃に初出荷となる
隣は秋茄子。
 
空は抜けるように高い。
 
今日は好天に恵まれたが、
明日からは台風17号の接近で大荒れと成りそう。
 
心配はトマトなどが飛ばされる
かもしれない。
そうなればもはや諦めるしかない。
 
今日、県の振興課の方がお見えになる。
新規就農者の受け入れについての相談。一度に二人になりそうだ。
一人教えるのも三人教えるのも一緒。とにかく何をするか分らない。常に付いていなければならない。そしてやり直しの連続。しばらくきついことになりそうだ。
新規の農業者を育てるには最低3年を要する。特に自然循環農法の場合、労力の塊りであり、経験が必要になる。
気候の読み・作付けの手順・育苗管理の知識と経験・堆肥作り・畑作り・生産管理・
生産計画と実行・畑の見回り、注意力と観察力がなければできない仕事。
そして、消費者との絶え間ないやり取りなどの直接販売の経験・マーケティング能力の育成と知識経験・社会人としての信義や道義の立て方など多岐に亘る。
 
農業者としての独立は至難の業となる。それでも立ち上がった時の満足感や充実感を
味合わせてあげたいものだ。次の草木堆肥農法の後継者となることを祈らざるを得ない。
 
(消費者の声)
最近取り始めたあるご家庭; 届いた箱を皆が争って開けたがる。今日は何が入って
いるかが楽しみです。珍しい野菜をどうやっつけるか、料理にも力が入る。
家族でこの野菜の話が盛り上がる。・・・家族内で会話が続くのがうれしいですね。
 
もう一年以上取り続けていただいている奥様; 香りのものが楽しい。穂が付き始めた
紫蘇・芳醇な味香りのバジル・やさしい香りのする和製ハーブ(金時生姜)作り手の苦労
が偲ばれ、ありがたい。
 
永年のお客様; 金時生姜の葉を刻んで青紫蘇と合わせてパスタに幸せでした。
          そこまで味わって頂き、驚きとただ、感謝、感謝。
 
最近、思うのだが、草木堆肥によるむかし野菜は土作りの努力と歴史です。その積み重ねによってのみ自然界の野山と同じ条件を作り出している。
自然界と同じように低窒素状態を作り出し、自然界と同じようにミネラル豊富な土作り、
豊かな自然循環のバランスになるのに最低5年は必要。根気の要る作業を営々と続けるが、その間も農産物を出荷しなければ生活が成り立たない。
その間、消費者を探し続ける苦労が伴う。
こういった苦労と努力を新規就農者に強いることが本当に良いのか?彼らの人生への責任の重さが身にしみる。
 
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        人間達の様々な思いとは別に、今年も実りの秋を迎える。