消費者の声

23.11.11(金曜日)曇り、最高温度17度、最低温度15度
 
今日も一日曇りの日、すっきりとしない。湿気が多く、ブトが顔を刺し、耳を刺す。
11月にこのような気候はかってなかった。
11月になって、夏野菜の撤去作業(竹の支柱・夏野菜の撤去・除草・こぶし取り)
畝作り(堆肥振り・焼き灰と苦土石灰振り・耕運・鍬での畝たて・レイキによる慣らし)
の連続。例年のことながら、体が重く、痛くない処を探すのが難しい。
 
続いて、種蒔き・水遣り・ベタ掛け・幼苗の定植作業が延々と続く。その合間に野菜の収穫と選別出荷作業をこなす。
空けるべき畝を探し、何をどの程度植えつけたら良いか、いつもの端境期の頭の
痛い時季(夏野菜から秋野菜への転換)、この選定を誤れば、即、欠品となり、さらに苦しむことに繋がり、  「野菜がない」と夢を見る夜が続くことになる・・・!
 
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巻き始めたキャベツと未だ巻く兆候すらみられない紫キャベツ(同時期に定植)
 
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まばらになったサニーレタスとサンチュ(これも同時期に定植)
 
キャベツは数十回虫取り作業を行うが今年は本当にいつまでも虫が多い。
葉野菜は虫害より、長雨と蒸れによる腐りが発生し、このようにまばらになって
しまった。(腐りが発生した場合は、即、撤去しないと一緒に共倒れになる)
これらは第一陣の秋野菜、8月に種を蒔いたのだが、生き残った貴重な葉野菜達。
 
例年(今年は特にひどい)この端境期は、通常の農家は野菜の出荷はないが、
佐藤自然農園は、常に消費者への直接取引であり、待っていてくれるお客様の
期待を裏切るわけには行かず、かなりな無理をして野菜を作る。
何回も種蒔きをし、育苗するが、その内、生き残るのは極わずか・・・
夏野菜が終わった間隙を縫って、秋野菜を植える。常に綱渡り状態、慢性的畑
不足になる。(夏野菜と秋冬野菜の同居状態が長く続く)
 
(この季節はいつも野菜の植え付けのことで頭が一杯になる辛い時季でもある)
 
ただでも過酷な自然循環農法と、消費者との絶え間ない対話(直接取引)、そのために、年間100種類以上の野菜作り、端境期を作らない努力と工夫、これらを
継続することだけでも、容易なことではない。
 
うれしい便りも多く寄せられ、
「毎回毎回、どのような野菜が届くのか楽しみ」
「箱を開けるのが楽しみ、まるで野菜のびっくり箱」
「内の主人がいつも楽しみにしております。真っ先に箱を開けます」
「届くと嬉しくてすぐに料理をしたくなり、なんて幸せなんだろうと思います」
「子供が佐藤さんの野菜しか食べません。美味しいのでしょうね。それが嬉しくて」
「便秘症がすっかり治りました。湿疹なども出らず、感謝感謝です」
「主人と子供がアトピーです。今では佐藤さんの野菜に懸けています」
「母が癌になりました。自然野菜が癌の進行を遅らせる。野菜を毎週送って」
自然とこちらも力が入り、癌治癒に向きそうな野菜を選別して送る。負けるなと!
などなど、のメールがあるから、やっていける。
 
「来週末が農業セミナーの最終回」こんどは農園での実地研修となり、野菜を
実際に食べてもらうコーナーも設置。女性陣が大変になり、迷惑を掛ける。
 
課題なのは、このセミナーの目的である自然循環農法(むかし野菜)の後継者を
発見し、育てること。その人達をベースにして、地域ブランドに仕上げること。
私のような農業をこれらの方々にさせられるのか?果たして継続できるのか?
このセミナーでは、草木堆肥による自然循環農法の習得・消費者との限りない
対話(コミュニケーション)・マーケティング手法の習得・地域ブランドへの長い道
などを語ってきた。果たしてどうなるのか・・・・・・
 
イメージ 5 コールラビ(蕪キャベツ)
 
初めてこの野菜を消費者へ
ぶつけてみた時のことを
思い出す(今から数年前)
次の配達に行く時まで、ずっと持っている。どうして良いのか分からない。
説明書はどこに行ったか分からない
 
いまではその方もあの甘い蕪は
いつ出来るの?と、
 
最近、若いお客様が増えてきた。
その方々の多くは農園と直接取引をしていることが未だ理解しておられないようだ。
確かに、スーパーに行けば、自分の好きな野菜を手に入れることができる。
大手の有機専門の小売業者(流通業)では、あれ要らない、これが欲しいと様々な
商品ライン(パッケージ)があるようだ。
一農園がこれだけ、多くの種類の野菜を揃えていることだけでも奇跡に近いこと
なのだが、(それだけの工夫と努力とリスクを抱えている)その生産者のことを
もっと理解して欲しいといつも思う。
実はそのために、長々と、生産の苦労や過程を語ったつもりです。それは私だけではなく、一生懸命に自分のプライドを懸け、信念を持って有機野菜作りに取り組んで
いる農業者の思いを理解して頂きたいと思ってやまない。
 
それでも、その若い消費者の方々も一様に、「最後に感謝しています」の言葉が
添えられている。  それがただ、嬉しい・・・