農園日誌

23.9.4(日曜日)晴れ
 
長く居座った台風がようやく去り、涼しい晴天かた思いきや、暑苦しく
太陽の日差しが強いうっとおしい一日となった。
和歌山ではかなりの方々が行方不明になっているようだ。
記録的な豪雨に見舞われた地域の方にはお悔やみいたします。
 
畑のほうはおかげさまで大きな被害を免れ、ほっとしている。若干の修復作業
だけで済んだ。
今日は第二回目の農業セミナー(と言っても、マーケティング手法による商品開発
や販売戦略が今回も中心となった)を開く。
 
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中々草木堆肥による
野菜作り、その野菜
(むかし野菜)を核と
した農産物商品群を
テーマにできない。
 
あまり前置きが長いのも考え物かも?
 
次回はいよいよ核心に
踏み込むつもり。
 
 
 
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その後、座談会を開く。
 
ここでは農産物生産や販売
加工のグループ化や研究会
などの立ち上げを呼びかける。
 
若い方々も参加いただいたが、
どこまで踏み込んで頂けるかは
まるで未知数。
 
この後は個別協議となるか?
 
日中はあまりにも暑く、夕方から畝作り(サラダ蕪・紫大根・赤蕪系)、5番の草刈。
この時季、例年通り、畑の空きがなくなり、植え場所を探し回る。
今後、セロリ。芽キャベツコールラビ、チコリ、ビーツ、キャベツ、白菜、ブロッコリー、などの秋冬野菜や、サンチュ、サニーレタス、レタス、などのサラダ系野菜の
植え付けが始まる。
その前に、草刈、何ともやっかいなこぶし除去、土作りなどの作業が待っている。
 
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右は、苗作り途上で、虫害でやられた
白菜。何度も種を蒔きなおす。
根気勝負に入る、例年通り。
 
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何とか生き残ったキャベツ・ブロッコリー
などの苗。それでも虫害により元気が
ない。頑張れ!
 
 
お客様からの長い長い便り(メール)
 
関東のSさんからの写真入りのメールの一部を紹介します。
その感度にはもう脱帽・・・Sさん、返信の変わりにその一部を皆様にご紹介すること
をお許しください。
 
佐藤さま、
 
「今日野菜が届きました。見るからに美味しそうな野菜がたっぷり!
どうやって食べようかとワクワクしています。」・・・(そう言って頂けるとうれしいです)
ー中略ー「すでにむかし野菜なしではいられません」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人参葉のパスタを作りました。柔らかい葉っぱを摘んで、細めの茎はみじん切り、
人参の本体はコロコロ切って、人参づくしにしてみました。
美味しい野菜は何種類も使って足し算する必要はなく、そのものの味に集中したほうが、味わいがよくわかるように思います。・・・(同感です。私達の漬物もその考え方です。昆布や出汁などは使わず、塩・砂糖・酢などのシンプルな調味料だけで、
漬け込んでいます)味付けはにんにくと塩だけ。それにちょうどあった生ハムを添えてみました。
 
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普通、野菜が生ハムの風味に負けて
しまって、バランスが悪いのですが、
そこはさすがに佐藤さんのお野菜!
葉っぱの独特な香り、根菜の甘みと
味わい、絶妙なハーモニーでした。
 
茎の硬い部位はみじんにして、八丁味噌で「人参味噌」を作りました。
胡麻かつお節をたっぷりと入れ、
これでお粥を食べるともう最高。
 
(野菜達も喜んでいると思います。その命を絶って、人間が「いただく」のですから)
(仏教での「いただきます」は貴方の命をいただきお陰さまで、生かしていただいておりますの意味です)
 
(極め付きは、次の料理です。私もびっくり!Sさんに教えていただきました。
「目からうろこ」でした)
 
しかし今日は何といっても、金時生姜(幻の生姜と言われております)この立派な葉を何としよう。
 
風味を活かしてスープに!干し椎茸を戻したダシでさっと煮出して、根の部位を細かく切ったものも加え、器に入れてから、カボスのしぼり汁を加え、さらにスライスした
カボスを載せました。
立ち上がる香りがすごく爽やかで、ちょっと天才かも!美味しいスープになりました。
料理のイメージはタイのレモングラスを使ったスープ、こっちのほうが断然美味しい
やはり生の生姜の葉の力なのでしょう。
 
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夜は葉っぱの豚肉の切り身を巻いて
グリルに、
塩と蜂蜜でマリネしてあった肉を棒
に切り、しょうがの葉を巻いて
グリルに焼きました。
肉の臭みを消すとともに、何とも
言えない良い香りがついて、素敵な
香り焼きに・・・
思った以上の大成功でした。
 
葉っぱはハーブと考えると色々な
使い道が広がりますね。
(その通りです。日本のハーブの代表
です。金時生姜と草木堆肥の
絶妙なコラボがやさしく香り豊かな
一級品が仕上がります。本当にご苦労様でした。私が金時生姜の使い道
を探してくれるようにお願いしました
が、期待や予想以上な料理が
出てきました。貴女は天才です)
 
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オリーブ油と塩で頂きました。
 
甘酸っぱいトマトに感激でした。
 
肉とちょっと一工夫のサラダの取り合わせ、どこかのシェフにも教えたいくらいです。
 
 
 
 
 
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南瓜は甘すぎず、舌触りが良く
実がしまり、これまでの南瓜の観念を覆す味でした。
茄子はまったく灰汁が出ずびっくり。
 
あらかじめ茹でたりレンジにかけたりしなくても佐藤さんの野菜は
直焼きで充分。
そのほうが味が濃くて美味しい
ように思います。
表面にオリーブオイルを絡めておけば、乾燥もせずに塩でいただきました。
 
とにかく佐藤さんの野菜は無駄にしないで全部味わい尽くそうと思うので、料理の
意欲がどんどんわいてきます。それに答えてくれる野菜なので本当に嬉しいです。
 
以上が長い長いメールでした。(かなり省略)
 
このメールの内容は是非とも皆さんに紹介しなくてはと思い、かなりの部分をお出ししました。
 
私が一番びっくりしたのは、先ず、全体的に草木堆肥の調理方法をわずかの間に
会得したことです。私が多くのシェフ達に口をすっぱく言い続けたことの多くが
ここに語られております。(理解しているシェフの余りにも少ないこと)
 
東京坐来の梅原シェフ・福岡のフレンチ、ジョルジュマルソーの小西オーナーシェフ
のお二人は、実に繊細に、かつ大胆にこの野菜を理解して使って頂いております。
ありがたいことです)
 
一番びっくりしたことは、次のお話です。
実はこの南瓜は私の畑ではありません。
当農園の作った草木堆肥にひとひねり加えて(その畑に合うように調合したもの)
佐藤雄二さんの畑に施肥し続けて3年経過、ようやく味香り・食感ともっとも大事な
下の奥に感じる旨みが出ました。
つい二週間前に、私が雄二さんにOKサインを出した南瓜でした。
その決め手は、一番難しいその旨みです。
その時私は彼に言いました。よく我慢して頑張ったな。去年のほうが甘さからいうと
上でした。でも今年は味が深くなり、ざらつくような食感と旨みが出てきたね。
もうOKでしょう、と。
 
それをやっと2カ月しか経験のないSさんに見抜かれたことです。私が18年掛けて
会得してきた佐藤自然農園の命とも言うべき商品価値基準をですよ。
 
(ワンポイント)
舌の前で感じるのは浅い甘みや辛味です。一流の舌は(鍛え上げることができます)舌の奥で感じる旨みやえぐみです。
旨みとえぐみは紙一重ですが、完熟野菜ができるようになると、このえぐみが薄れ、
若しくは変化して旨みに変わります。この違いへの長い長い土作りの歴史・苦労が
あります。
 
PS
最近、野菜をお取りになられた方に申し上げます。
毎週配送は月末締めで請求書をお出ししますが、それは翌月の月初ではなく多くは
月中の配送野菜の中に同封します。同じように隔月配送の場合も同様です。
こちらから請求書が届いてから、お支払いをお願い致します。
最近錯綜しており、ご迷惑をおかけしておりますので。