露地栽培について、

23.6.16(木曜日)豪雨、最高温度22度、最低温度18度
 
3週間、雨の日が続く。畝の下は川となり、排水作業に追われる。
畑は水浸し、草だらけ、葉野菜は溶けていく。
日照不足が続くと、野菜の生長は止まり、根が水で洗われ、萎びるものも
出始める。梅雨の末期だと思いたい。
 
農夫は毎年同じ営み(作業や植え込みなど)を繰り返すが、自然は一年として
同じ気候はない。去年行った成功例は今年はもう通用しない。
露地栽培の難しさと自然の厳しさを今年も味わう。
 
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茄子の花、
 
雨が続き、受粉もせず、花落ち
しないことを祈る。
花が咲いてから約1カ月で結実。
 
 
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トマトの花。
ピントがずれ、うまく撮れない。
 
この梅雨時期、トマトはグンと生長する。
怖いのは、1番果、2番果が蒸れて腐れる
こと。
 
今日は、露地栽培とハウス栽培の違いを少し、詳しく紹介します。
 
野菜にもハウス栽培には適さないものもあり、キャベツ・ブロッコリーごぼう・大根
などは一般的には、向いておりません。
それ以外は、ほとんどの「商品作物」がハウス栽培中心になってきました。
これは、水の調整、害虫の忌避、寒暖の調整、などがし易く、現在のように、野菜の
味や香りに重点を置かない、又、見た目の良さや規格サイズを要求される「流通」
側の商品基準に合致した野菜が安定的に獲れるからです。
 
例えば、農薬散布にも効率が良く、逆に言えば、ハウス栽培は農薬のお世話にならなければ、病気や虫の被害により、全滅することも多い。
なにより、腐れや虫による傷跡がつきにくく、痛みにくいため、「流通の商品作物」を
作るために、必要になってきたことが最も大きな理由です。
 
露地栽培は現在、家庭菜園や道の駅などに一部出されているもの以外には、めったにお目にかからなくなってきました。
当農園が露地栽培にこだわるのは、露天の場合、自然の恩恵やリスクを全て負い、
強い野菜のみ(自然条件)が生き残ります。
太陽の光・雨・風にさらされ、虫害にも耐え、野菜は生きようとします。
そのエネルギーこそ、自然界の全てを吸収してしっかりと張った根・丈夫な茎・肉厚な葉を身に付けねば生き残れません。
その生命の営みが野菜本来の味・香り・食感を生み出します。
私達はその野菜の生命力を助けるために、ミネラルを一杯含んだ草木堆肥を施肥
しているだけです。(勿論、堆肥や土に含まれた微生物や菌も助けております)
 
本来、有機栽培とは、自然栽培のことを指します。少なくとも自然状態に近づく栽培方法のことだと、考えております。
 
以上が私の露地栽培にこだわる理由です。
 
消費者が流通が作り上げてきた野菜の価値観(=見た目の良さ・規格サイズ)を選択するのか、昔から日本人が行ってきた野菜作りの価値観(美味しさ)を選択するのかは、皆さんが決めることです。
但し、露地栽培のリスクは大きく、農業者にその価値観を押し付けることは、死活問題に関わることであり、難しいことです。
それでも、野菜に美味しさの価値観を求める生産者や消費者が増えてくれることを祈っております。
 
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