農園日誌

23.5.9(月曜日)晴れ、最高温度28度、最低温度17度
 
今日は朝から暑く、早朝の収穫時でも汗ばむほど。
個人客27人分とレストランなど2先の収穫作業は午前中には終わるとふんで、
ズッキーニの袋掛け(瓜蝿から守る)のための支柱作りを行う。
 
明日からは待望の雨模様、外れたら、天を恨む。いいかげんにしろ!
と言っても、どうにもならないのが自然ですが・・・・
青梗菜・ごぼうの幼い苗などは瀕死の状態。毎日の水遣りも疲労がつのる。
隣の小野さんも、無口になり、ひたすら、ひしゃくで野菜の水遣りをしている。
 
どうやら、九州中部は雨季と乾季の亜熱帯地域の気候になりつつあるようだ。
(かと言って、寒い時は極端に冷え込み、暑い時は地温は40度近くになる)
 
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ジャーマンカモマイルの花が満開
手前は御馴染みサラダセット野菜
野菜畑というより、お花畑みたい・・・
 
 
又、気候の話で申し訳ないが、
1カ月半の間に3段階でサラダセット
(今や、我が農園の定番商品)
を蒔いたが、この急激な暑さのせいで全て成苗になってしまった。
一畝はつぶすしかないか・・勿体無い
 
今日は産地ブランドの話をしましょう。
 
青森のにんにく・長崎のじゃがいも・北海道のじゃがいも・最近では淡路島の玉葱
など、産地ブランドが美味しい、品質が良いなどの代名詞になっております。
果たしてそうでしょうか?
 
確かにお米などは、山間地(扇状地)のものが美味しい。さつまいもは赤土やごろた
土のものが美味しい、などは、それぞれに理由がはっきりしており、分かります。
 
何!分からない?
 
米は元来、水田作物。つまり、山からの豊富なミネラルや腐葉土からの栄養素が
直接水田に落とし込まれるため、山間地の米は美味しくなります。
さつまいもは元々、根を食べます。もし、栄養価の高い土で育つと、葉や茎が元気に育ち、根は発育しません。ですから、栄養価(肥料分)の少ない土、つまり赤土やごろた土が良いのです。
 
話を戻しましょう。それでは、産地ブランドとは何?
つまり、その産地商品が美味しいのではなく、その土が美味しいのです。
野菜の美味しさはどのように土作りをしているのかにかかってきます。青森の全てのにんにくが、淡路島の全ての玉葱が美味しいのではありません。
もし、本当に美味しい、品質が良いのであれば、それは作り手がそれなりに努力して一生懸命に土作りをしているからです。
 
消費者も、料理人も、ブランド神話に惑わされず、作り手の努力を知って欲しいものです。そして、自らの舌を鍛え、本物を見極める力をつけて頂けたらと願います。
そうすれば、生産者も自ずから努力しなければならなくなり、この国も、農業も、もっと良い形になっていくのでしょう。
 
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5番の畑の風景、ここは元は竹薮でした。1年がかりで開墾して、今年で3年目に
入りました。近所の方々はその変わりように驚いており、よくどまあ!と。
馬鈴薯畑です。隣は南瓜です。キャップをかぶり、虫除けをしております。
 
この畑も3年目に入り、土ができてきました。
今年の玉葱は一段と美味しくなり、じゃがいももきっと美味しくなっているでしょう。
期待しております。それとにんにくが今年は出来が良いようです。
去年が全滅しましたので、期待が特に大きい。皆様もお楽しみに・・・
料理人の斉藤君が前もって収穫したにんにくを食べたら、「これはにんにくではない」
「ほくほくして、芋みたいでした」と・・・
齋藤君、長く食べているお客さんと同じ感想では?もっとプロらしく違う表現はないのかな・・・
 
雨が降り、この乾ききった畑に生気をもたらしたまえ、と祈る。