農園日誌

23.4.7(木曜日)晴れ、最高温度24度、最低温度12度
 
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        農園は春真っ盛り、桃の花・菜の花が満開になっている
 
現在出荷中の野菜は越冬野菜から、春野菜(今年度中に種蒔きした野菜)に移ろう
としている。
例年、この時期野菜は莟立ちし始め、花芽を持つ。
3月に野菜を取り始めた佐賀のHさんへ確認のお電話をしたら、「野菜が皆、花芽を
持っていますね。美味しいのですが!」と怪訝な声で話された。
 
そこで、今回は、野菜の常識が本当に正しいのか?についてお話してみます。
その前に、いくつかの莟立ちした当農園の野菜をご覧ください。
 
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莟立ちした和ほうれん草
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茎が太く、立ち上がりかけたほうれん草。湯がいて食べると、柔らかく美味しい。一年で一番美味しくなる。
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左が莟立ちしかかっている越冬青梗菜。
茎が太く、伸び上がってきている。
 
右は春種蒔きの青梗菜。
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どちらも美味しいが越冬青梗菜はやや固いが、
火を通すと甘さと味が濃く出る。特に芯や茎が旨い。
 
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破球した越冬キャベツ。
実は、これほどひどくはないが、
破球しかかった越冬キャベツの茎をかじってみると、実に甘く味が濃いのに驚かされる。しかもぱりぱりとして、柔らかい。
 
 
 
 
(莟立ちとは?)
寒い冬を越した野菜は、春、日照時間が長くなり、多少暖かい日が続くと、一気に
野菜の芯の部分に莟を持ち始める。野菜達も、成長が止まり、「春が来た。早く子孫
を残さねば!」と花芽を持とうとする。これが莟立ちという生理現象です。
その先端部分は甘く栄養価が高い。(種子を備えるため)従ってこのような野菜は
一年で一番美味しくなる。
 
但し、慣行栽培(化学肥料で育てる)や畜糞肥料で育った野菜は筋が張り固くなる。
常識的にはとても食べれない。だから、莟立ち野菜は商品にはならない。
草木堆肥で育った野菜は、筋がなく肉厚でゆっくり育っており、甘みが強く、柔らかく美味しい時期に当たる。勿論あまり莟立ちが進みすぎると先のキャベツのように商品価値はなくなりますが・・・
 
佐賀のHさん、ご理解いただけましたか?
草木堆肥の場合、莟立ちしかかった越冬野菜は1年で一番美味しい野菜です。
安心して味わってください。
来年にならないともう食べられないのですから・・・
 
それから、同じく、最近野菜を取り始めた大阪のTさん、感動のご連絡ありがとうございました。私達は最高の贅沢をしているのかもしれません。
メールでお話しましたが、この味は人間が作れるものではありません。
草木堆肥で作られていく土の中には、計測不能な微生物や放線菌は棲んでおり、
この小さな生き物と風と雨と太陽が育てる野菜です。
先人達の知恵と英知に、只、感謝感謝です・・・・・
 
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ビニールトンネルを取っ払った3番の
畑です。
まだ小さいレタス達が育っています
このところの少雨で成長が止まっています。
明日は少しまとまった雨が降りそうで
とにかくうれしい!
人間の水遣りでは限界があります。
 
 
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育苗ハウスの中で育つ夏野菜達、
 
植え込みは4月20日以降になりそうです。
 
例年、花冷えによる寒が来ます。
去年も丹精込めて育てたトマトなどが全滅した苦い記憶が頭をよぎる。
 
 
 
 
 
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東北にも同じように春は訪れます。私達は何の不自由もなく
生かされていることにもっと感謝しなければならないのでは・・・