農園日誌

23.2.4(金曜日)晴れ、最低温度ー1度、最高温度12度
 
ようやく少し暖かくなり始めました。まだまだ朝晩は氷点下ですが。
そこで、露地栽培のトンネル育苗について少しばかり今まで経験してきた
ことを交えて話します。
 
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厚さ0.3ミリのビニールで
す。これは保温力はあまりありません。
極度の氷結や霜害から野菜を守る程度です。
写真はキャベツです。(元来、キャベツは寒さに強い)
3日前からトンネルをはぐり、太陽と風と冷気に当ててきた(夜も)このことにより、伸びきった葉を締め、莟立ちを抑え結実を促す。
 
(野菜の生理について一言)
このホームページはプロの農家や家庭菜園を楽しむセミプロの方も読んで頂いているようなので、少し詳しく書きます。
野菜は温室(ビニールトンネルも)の中で、育てられると、冷気や暖気や風や太陽に(自然環境)さらされず、露地栽培に比べて、葉脈や茎が伸びきり、ひたすら成長します。
自然環境の中で育てると、氷点下1度までは耐えます。但し、野菜はかなり痛めつけられ、生き残ろうと体内に蓄積したデンプン質を分解し、糖質に変えようとします。
太陽が昇り、暖かくなると、成長しようと光合成などが活発になり、又、夜になると、生き残ろうと一生懸命にデンプンを分解し、エネルギー(糖質)に変えようとします。
もうおわかりですね。なるべく自然状態に近い環境においてやるほうが、旨みのある美味しい野菜ができるというお話でした。
 
※1~2月にかけては、自然状態の中で生き残れる野菜は限られてきます。
 被服布やトンネルをいかにうまく使うか(日常の管理も)によって美味しい野菜がで きるかどうかが決まります。
 
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ほうれん草です。
厳冬期を乗り切ったほうれん草はとても甘く美味しい。
特に草木堆肥で育てた
ものは甘くフルーツを食べているようです。
根茎の部位はさっと炒めて
食べてください。
ほうれん草は氷点下1度以上になったら、トンネルははぐり、外気にさらして育てる
 
 
アンテナショップ展開ですが、その立地条件で、市内中心部は真っ先に除外しました。地価が高く広がりがなく、自然環境からもほど遠く、一般野菜とは差別化が難しいからです。
郊外では、地物野菜との差別化が図られず、ついででの来店は見込めるのですが・・・
 
現在は、市内から車で30~40分の距離感と自然が残された環境で始めるほうが、つまり、わざわざ訪れる場所にしたいと考えております。
皆さん来ていただけるでしょうか?
やはり、その存在感と飲食も含めた商品の吸引力次第でしょうか。
 
さて、農園は苗作りの真っ最中です。毎年この季節になると、育苗トレイの中で発芽・成長する若い命を見るにつけ、少しフレッシュな気持ちになります。
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踏み込み堆肥温床です。
手前から春白菜・キャベツ・コールラビ
ブロッコリー・サニーレタス・半結球レタス
などです。
3日後にはポット上げ作業が待っている。
育苗ハウスの中はこれら若い命で一杯
になります。
 
 
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見えるでしょうか?
下のビニールを少しはぐっています。
藁を敷きその上に牛糞を置き、
除草した草を敷き、その上に微生物が棲む枯葉をまきます。
それを二段に重ね、おもいきり、水をやり
足で強く踏み込みます。
草木は薄く重ねる場合は踏み込んで
密度を上げないと発酵しません。
 
 
今日、NHK大分の放送で大分の子育てについての番組がありました。
乳幼児~幼児を抱える若いお母さんたちの悩みや問題点が話し合われておりました。
見ていると、一人で子供を育てる(夫はあまり協力しない現状の中)ことに
疲れ、神経過敏になっていくお母さんたちが多いことが一つの社会現象になっているようです。核家族や社会と切り離される母子達の姿は昔では
あまり多くなかったと思います。
内の孫たちは、畑で伸び伸びと遊び、農園で働く家族や他人(一緒の仲間ですが)に囲まれ、一つのコミュニティで育てられているようです。
畑の中で転び、土まみれになって遊び、泥にまみれた手でお芋を食べ、
ほっぺはあかぎれし、目はまんまるで、何にでも興味を示そうとする。
 
今回展開しようとするアンテナショップも隠れたテーマはそのような若い
お母さんたちや子供達に野っばらで安心して、そんなに神経質にならず、
子供さんたちを遊ばせてやれたら、そして、「食」とは如何に大切なことか
自然の中とはやさしいんですよと、語りかけられる場を作れたら、という
ことです。
どうやら、今の若いお母さんたちの多くは、「自分しかいない」「他人は信用できない」「子供を守らねば」と、(社会がややゆがんでいることもありますが)さらに孤独になり、神経質になっているようです。
子供は自分だけの占有物や宝物ではなくこれからの日本の宝物ですね。
 
今日はかなり散文的になってししまいました。
最後にセロリの芽掻き、についてお話しましょう。
 
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セロリは地中海の湿地で育って
いたものです。
水分を好み、乾燥を嫌う。
栽培の場合、地面を這う茎
は掻きとり、芯を伸ばします。
写真は寒にやられ、痛んだ
部位を掻取り、十分に水をやり、
トンネルを被せると回復します。
葉の部位は刻んで炒め物や
炒飯にしてください。
スープ料理では旨みがでます。