農園日誌

23.1.28(金曜日)晴れ時々曇り、最低温度ー1度、最高温度6度
 
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随分と日が長くなってきましたが、その分、5時過ぎると寒さが急に
押し寄せてくる。
1月の大分市の降雨量は2.5ミリだそうだ。畑はぼこぼこで、風が
吹くと土ぼこりが舞い上がる。
意を決して、最近はトンネルをはくり、水遣りを始めた。トンネルの数が
多い分、作業はかなりヘビーになる。こんなことは初めてだ。
野菜は低温・凍結・少雨により、生長は止まったまま。今は、寒が訪れる
12月までにある程度育てていた野菜達でなんとか配送分は賄っている。
それに追い討ちをかけて、鳥がかんらん系野菜を中心に葉を食べ尽くす。
案山子ももうとっくに見破られている。
 
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          トンネルの向こうに見える案山子がなんだか寂しそう
 
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春を待つ育苗トレイの幼苗達
1月に種を蒔き、2月にポットへ
移し、3月に定植し、4月末頃から
ようやく出荷できる。
万願寺・伏見とうがらしやピーマン
茄子・トマトなどは6月末頃から
出荷の目処が立つ。
今年は春の訪れが遅くなりそうで、
夏野菜は7月になってからかな?
 
春の人参・大根の第一陣の種蒔きをようやく終えるが、この寒さで
育つか?駄目でもともと、再トライしてみるしかないか!
この気候変動の中では、1回で成功することは稀で、何回もチャレンジ
するしか手がない。種蒔き時期を逸したら、野菜はできないのだから・・・
露地栽培の難しさが骨身にしみる。それでも太陽を浴び、寒気にさらされて育つ露地野菜の美味しさを一度味わうと、ハウス栽培の野菜はもう作れない。(誰か耳元でもっと楽にやれとそっとささやくが・・・
草木堆肥の強みは野菜が丈夫に美味しく育つことにあり、やはり基本は
露地栽培だと、強く自分に言い聞かせる。
 
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この二日間、選定枝の山を二つ処理。
中型破砕機の威力はすごく、力強い
破砕の音が鳴り響く(音は聞こえないか)
小さく粒子状になった破砕屑が美味しい
堆肥を作ってくれる。
この破砕屑の中にバランスの良い
ミネラル分と炭素が含まれ、それぞれの
木や葉に宿った数え切れない微生物や
放線菌が有機物をさらに噛み砕く。
 
         斉藤君と茂登子が頑張っています。
 
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手前に見える小山は破砕屑と葉っぱ。
しばらく置くともう微生物や放線菌が
活発に動き出し、山は熱を持ち、煙が
出てくる。(小規模な発酵が始まる)
大自然の営みです。
有機農業を始める時、全国を探し回って
見つからなかった農法や堆肥作りが
意外と身近にあったとは?
この小山や草木堆肥が無くなってくると
急に不安になるのは何故でしょう?
 
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こんなに美味しい野菜が作れるのに!食べられるのに!
何故みんな分かってくれないんだろう?とシェフの斉藤君が呟く。
 
最近読んでいる本に、日本人は有機野菜をイメージで判断している。
本来有機野菜とは異なる価値観、新鮮・安全・美味しいという価値観で
有機野菜を見る傾向にある。と・・・
 
でもそれって、よく考えると可笑しい。
消費者が野菜にその価値観を抱くのは当然だと思います。
安心・安全・健康が有機野菜であり、無農薬・無化学肥料栽培がいかにも有機野菜の代名詞になっているのもどこか可笑しく、それに踊らされている生産者も消費者もやはり可笑しい。
 
本来、野菜とは、ミネラル分がバランスよく含まれ、糖質・ビタミンが高く
生命の維持や再生を手助けしてくれるものであり、それが栄養価に富んだ
美味しい野菜と思うんですが。
そのためには、ミネラル分を多く含んだ、有機質に富んだ、微生物や放線菌などが棲息する、自己再生機能を有する土作りこそ、美味しいく安全で健康な野菜作りの基本ではないでしょうか?
そこのテーマをはずした理論も規則(有機JAS認定基準や規則)もやはりどこか可笑しく、日本人て、個の価値観が育っていないのかもしれません。
 
シェフの斉藤君、どうにも君の疑問に答えるには、やはり、地域にこんな
草木堆肥で育った野菜を食べてもらい、理解してもらうアンテナショップを自ら作るしかないのではないですか?
これからは君達若い人の時代に変わっていかねばならないと思いますよ。
 
では、又、次の機会にそのプロセスを紹介いたしましょう。