農園日誌ー端境期脱する

25.5.9(木曜日)晴れ後曇り、最高温度24度、最低温度10度
 
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フレッシュハーブティ
 
お客様(ミスSさん)よりの
投稿。
 
フレッシュハーブティセット
をお送りしたら、予想外の
大反響。
 
このハーブティセットは
去年から始めたもの。
 
露地栽培農家には必ず
訪れる端境期に、困り
果てて、苦し紛れに、
レストラン専用に育てて
いたハーブをセットにして
送ってみたら、
要らないと答える人はゼロ
かなりな反響を呼んだ。
 
今回はそれ以上の大反響
 
農園スタッフ一同、一様に
「美味しいものは理屈
抜きで分ってもらえるんだ」と・・・
 
畑は最近雨が降っていないこともあり、土埃がすさまじい。
明日は待望の雨ということで、ここ、二三日は夏野菜の植え込み作業に追われ、
増加したお客様への出荷作業の合間に堆肥撒き、畝たて、植え込み、水遣りと
大忙しの連続。女性スタッフの顔にも疲労の色が・・、それではと、どうしても男手
一人、無理をせずにはいられない。我乍ら良く働くと思う。帰宅時間は午後8時。
何とか必要最低限の夏野菜の植え込みは終わった。
茄子・トマト・ピーマン・パプリカ・万願寺及び伏見とうがらし胡瓜・オクラ・瓜・
一本葱・インゲン豆・ズッキーニ・黍粟・筍芋などなど。
すると、堆肥が底を尽いた。里芋用の畑に堆肥を、と残り少ない堆肥を持ち出す
佐藤雄二農園にやや苛立つ。どのみち、彼も同じ出荷仲間であるのに。
今週末は堆肥作りを是が非でもやらずばなるまい。草集めが大変な重労働。
 
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じゃがいもの花、
 
花が咲くと、三週間で収穫時期
となる。
 
相前後して、にんにくの収穫時季
ともなる。
 
玉葱(晩生)・にんにく・じゃがいも
と収穫時季が重なり、猫の手も
借りたい忙しさとなる。
 
 
これでようやく端境期が終わり、苦悩の日々から開放されることになる。
とは言っても、今度は春野菜から夏野菜への移行期にまたまたミニ端境期が
やってくるのだが・・さらには虫の季節(虫との闘い)の始まりとなる。
 
最近思うのだが、銀行員時代(企業再建家)の人の波(欲)の中での格闘が、有機
農業に取り組みだしてからは、形を変えて、自然との折り合いや格闘となった。
但、違うのは、自分の思いがストレートに体現できることと、守り育てる対象が
人や組織から、野菜に変わったこと。
野菜は人を決してだまさないし、ひたすら、生きようと頑張る。そのかわり、絶対に
ごまかせず、こちらが一生懸命に頑張ると必ずそれに答えようとする。
それともう一つ激変したことは、胃潰瘍が治ったこと。
 
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筍芋の芽吹きの瞬間
 
3月のテレビ放映以降に私達の仲間
に加わった約50余名の方々からの
メール;
 
「こんなにやさしい野菜があったの
ですね」
「歯ざわりの良い食感は筋を感じ
ませんし、野菜本来の味香りや旨み
は初めての体験です」
 
「葉にんにく・島らっきょ・赤蕪・フレッシュハーブなどなど、自分達では決して
味わえない野菜に出会える楽しみと喜びに出会えたことを感謝しております」
 
「決して野菜を生では食べなかった子供が大根のスライスを要求してきます」
 
「漬物が美味しい。もっと欲しいと子供が・・・」
 
「キャベツやブロッコリーは私の口には入りそうもありません。子供がお替わり
の連呼です」
 
微笑ましいご家庭の様子が伺えるメールが多く寄せられております。こちらこそ、
感謝しております。これらの言葉があるからこそ、続けられるのです。
 
又、思うのですが、農業者はお金儲けのために農業をしているのでしょうか?
それだったら、他の職種を探したほうが良いようです。農業は決してお金儲け
にはなりません。その労力に決して見合わないのが農業ですから・・
 
それと農業者は誰に向かって(誰のために)農産物を生産しているのでしょうか?
流通業者やスーパーなどの量販店に向かおうとすると、美味しさや栄養価などは
要求されず、只、均一な規格サイズや見てくれの良さしか求められません。
では本当に消費者はそんなものを要求しているのでしょうか?
そこに真の農業者の原点があるような気がします。
 
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