農園日誌ー


30.8.15(水曜日)曇り、時折雨、最高温度33度、最低温度26度

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                    一本葱の土寄せ

 酷暑の中、鍬で4人がかりで二回目の土寄せ作業を行う。
夏場にかなりな葱が落ちていき、生き残ったものが10月頃から出荷を迎える。
今年は、格別に暑く、葱の葉の部分をできるだけ土の中に埋め込んでやる。
この土寄せ作業は、根元に酸素を供給してやるのと、除草兼葱の避暑対策となる。
後は雨が降れば良いのだが・・・

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こちらはオクラ。

暑く、雨も少なく、
成長が見られない。
これでもう大人になっているのだろう。

例年であれば、1mの背丈となっている。

そのためか、お客様
全員には回らない。



 先日、銀行時代のお客様であった不動産関係の事業の方から、連絡が入る。
彼の仲間の一人なのだろうが、大分市大在の飲食店を買い取り、パスタとピザのお店の営業をしている。彼にはどうも危なっかしく映ったのだろう。
食べた野菜も味が無く、野菜も含めてメニュー及び運営の助言をしてくれないだろうかとの話。

早速そこの店長が当農園を訪れてきた。
中々におしゃれな店装のようだが、町中から離れ、わざわざ出かけねばならないような立地条件のようだ。
話をお聞きしていると、店長はかって焼き鳥などの経験があったようで、それならば、夏場は焼き野菜(肉などは挟む)を提供してみてはどうか?と振ってみる。
夏場は、焼き野菜に適した万願寺・伏見とうがらし、ピーマン、パプリカ、各種茄子などが主力となり、むかし野菜は、元来が焼き野菜が最も美味しい食べ方である。
さらにメニューが発展して、炒める・揚げる・生野菜などの展開も考えられ、頑張って見るように勧める。

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女性客が多いとのことであり、パスタやピザのメニューに添えて焼き野菜を提供するお店であれば、わざわざのお店での差別化は図れる。
秋から冬場は、様々な煮込みスープにメニューを変更していけば、お客様の支持は得られるとの意見も添えた。
本日そこへの初出荷を行うも、言い放しも何だから、近々訪れてみる必要がありそうだ。

先日、佐賀県の依頼を受けて、農業者の研修を請け負っている監査法人の方が、お見えになった。
20数名の農業者の研修先を探しているそうだ。
むかし野菜さんは、農業に経営(マーケティング)の考え方を導入しておられるとのことで、そう言う観点からの研修をお願いしたいとのご依頼であった。

お断りしたのではないが、このように答えた。

今まで各県からそのような依頼により何件も研修は行ってきました。
但、最近感じるんですが、お話ししている最中に、空しさを感じてしまうことが多いのです。
と言うのも、地方公共団体の場合、農業再生の予算があるからそのような研修を行わねばならないのでしょうが、その全てが見学会に終わります。
農業経営は、先ずは優位性のある商品開発から始まり、様々な農産品の商品ラインを作り、直販に近い販売方式を採り、その商品をターゲットとするお客様層にコミュニケートしなければならない。
とすれば、それらの戦略から、商品作り及び農法に至るまで一連の流れが必要となります。
つまりは、一過性の勉強会では終わらないのです。
そのようなお覚悟が、県にも農業者にも在りましょうか?

再度、出直してきますとのことでした。もうお見えにならないでしょうが、その後、ふっと溜息が出てしまいました。
地域を切り捨ててしまう現状の政治体制では、日本の農業及び地域の将来は難しい・・・