農園日誌ー農園の四季-秋

30.4.11(水曜日)曇り、最高温度22度、最低温度9度

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                  絹さやインゲンの花

 春真っ盛りの4月、農園では豆のシーズンを迎える。
その最初の豆は、絹さやエンドウ。続いてスナップエンドウ、さらに実エンドウ、5月になると空豆、6月は、インゲン豆と続く。

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竹の笹を付けたまま、
豆の手として支柱とする。

こうすると、豆の蔓が上手に巻き付き、
重たい実を支えてくれる。





イメージ 3さらに竹の支柱を打ち込んで、黒テープで
繋ぐ。
網を掛けると、巻き付いて外すのが難しい
先人たちの知恵は流石だと思う。
最後の収穫を終えたら、(蔓揚げ)
そのまま抜き取って燃やせばよい。
真に理にかなっている。



それにしても、野菜の花の見事さである。ミツバチを寄せるための美しく飾る花ではあるが、農人を楽しませてくれる。

今日の農園の四季のブログは、秋です。

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25.8.20. 農園の夕景
右手に雲がかかっている山は由布岳

夏の終わりから秋にかけて、農園にしばしば
現れる朱色に染まった
秋の空。
やがて群青色に変わり、漆黒の闇となる。
帰りがたい秋の空。
しばし、見とれる。


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25.9.8
竹の支柱にたわわに実る黒陽茄子。

旺盛に茂るため、
収穫の都度、重なった葉っぱや枝を落とし、
すき込んでやらねば、実が付かない。

そのため、早朝の収穫は重労働となる。


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24.8.27
金時生姜

この年は、生姜にとって適していたようで、
深紅の美しい生姜が採れた。

昨今の異常気象の中ではこうはいかないことが増えている。


この金時生姜は幻の生姜と言われており、市販されていない。
主には生食であるが、葉っぱは押し寿司やマトンや豚肉料理に(葉っぱと一緒にグリルする)使える。押し寿司は高級料亭の味になり、肉類は高級フレンチに化ける。

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28.9.5.                    28.11.5.
とうがらし                     ざるで干しているとうがらし

毎年、12月、この干したとうがらしと月桂樹の葉っぱをお送りしている。
とうがらしは、漬物には不可欠であり、古来から魔除けとして使われてきた。
雑菌や虫の発生を抑える力があり、高菜漬け・大根の糠漬けなどに重宝している。

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29.9.25
高菜漬け                     加工品;紫蘇ペースト・バジルソース
                                大麦焙煎(麦茶)・麦御飯セット

佐藤自然農園も16年を経過し、様々な加工品を作ってきた。
大根の甘酢漬け・たくあん漬け・瓜や夏野菜の粕漬け・味噌漬け・味噌・ピクルスなど、今では、二代目に引き継がれている。

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29.10.3                    29.10.30
紫蘇の実の灰汁取り、             紫蘇の実の醤油漬け若しくは味噌漬け

丘のキャビアです。ぽりぽりとした食感に御飯が進む。
スタッフ総動員で、紫蘇の実を取ります。中々に根気の要る作業となる。


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玉葱の植え込み
29.11.9

年間3万本以上の苗を植える。全て手作業。
それでも、400人の個人顧客(定期購入)とレストラン10数軒に配ると、10月までは持たない。これ以上は植えられない。
玉葱は3年以上の土作りをしないと植えな
い。圃場も人手も足らない。

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黒大豆の枝豆
25.10.27

黒大豆の枝豆を出荷し始めたのは、今から13年前。その当時は、珍しく、当農園しかしていなかった。
始めて出荷したときは、「何これ、汚い」などと散々でした。
兎に角食べてみてください!と説得してきたことを思い出す。

今では、秋の農園の味覚の代表となっている。


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23.11.9.岡城址にて
上の子供が今では小六、中の子供が小四、(孫ですよ)私の膝の上に、当然かのように今でも、椅子代わりに座っているが、その重さに年月を感じる。


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農家の軒先に約千個
吊るされている。

由布市の山間地の
平野さんご夫婦に
去年初めてお会いした

表面に粉を吹いた干し柿ではなく、中がまだジューシーな干し柿
探していた。


おそらくは、都会地にて暮らしておられる方々には初めての体験かもしれない。
私達が子供のころ、柿が干し上げる前に、全て食べてしまっていた。その美味しかった記憶を、是非にと都会地の皆様にお届けしたいと以前から探していた。

今年の春から、山菜を平野のおじいちゃんが摘んできてくれている。
細々と皆様にお届けしている。


(地域は見捨てられていく)

     地域活性化への取組
大分は中山間地が多く、その多くの圃場は、田んぼです。
当農園は土作りを先ず行います。草木堆肥を入れて泥で固まった田んぼを微生物・放線菌の棲みかに変えていくことで、土壌改良から始めます。(土を団粒化し、呼吸できる土壌に変える)
そのため、畑でも最低三年草木堆肥を施肥し続けねば、お客様に出荷できる野菜にはなりません。
草木堆肥歴3年未満 ・・・・・・・・赤ラベル(じゃがいも;280円/キロ)
草木堆肥歴3年以上5年未満・・・・・銀ラベル(じゃがいも;320円/キロ)
草木堆肥歴5年以上・・・・・・・・・金ラベル)じゃがいも;360円/キロ)
 
問題となるのは、草木堆肥歴3年未満の場合、三年間は収入が無いことです。
そこで5年以前から、土作りの三年間は、麦・大豆・とうもろこしなどの雑穀栽培に取り組み始めました。
無駄でも良いと始めたことですが、草木堆肥を施肥したそれらの圃場で採れた雑穀の美味しかったこと。
今では、古代小麦と合わせて麦御飯セット・麦茶・小麦粉(やせうまのレシピ付き)大豆の竈蒸し・味噌・黄な粉など、今では当農園の人気商品となっている。
 
田んぼの場合は、湿田と乾田に分けて、湿田は深水管理農法により、除草剤・農薬無しの自然の米の生産を行い、乾田は、4~5年間、雑穀栽培を行い、土壌改良の進む具合に合わせて、里芋・南瓜・冬瓜を栽培し、7年後は、玉葱・じゃがいもを栽培し、10年後は、野菜の圃場とする。
畑化が進めば、反当、年間3百万円の収入となる。
 
これなら、中山間地の農業であっても十分にやっていけるとの確信に変わっている。
先の平野さんのように、山里は自然の恵みの宝庫であり、
山間地の方々に呼び掛けて、なばを採り、筍を採り、山菜を採り、銀杏を拾い、柿を干し、その美味しさを都会地と繋ぐ。邑ぐるみ纏まればこれも一つの産業となる。
その役割を、むかし野菜の邑が分担する。