農園日誌ー

30.3.21(水曜日)雨、最高温度10度、最低温度7度

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スモモの花

 むかし野菜の邑にも春が来た。
昨年新築した際に植栽した果樹に白い花が咲き始めた。
これから、しばらくして、垣根に植えたブルーベリーの花も満開になるだろう。
ようやく厳しい厳しい冬が終わろうとしている。
今は丁度、花冷えの時季。

イメージ 2今日は終日雨の一日出荷日の忙しい日に
孫達は祝日で、全員
集合。

孫9人、二階で運動会

一番下の孫が仲間に加われず、写真を撮れ
と指示。まさに、ラストエンペラー




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雨の中、収穫。
月一の(毎月第三週)
お客様も重なり、80人
のお客様とレストラン
5軒への発送となり、
総勢10人態勢で
出荷作業を行う。
午後6時までに運送会社へ引き渡さねばならない。皆、戦闘モード。

圃場からは瞬く間に
野菜が消えていく。



地域は見捨てられていく
(農業にマーケティングの考え方を導入)

         地域の現状

大分県の場合、市街地外の地域は、ほぼ農業地域であり、そこには他には産業は無く、主に田んぼが拡がっている。野菜生産に適する畑は数少ない。
問題となるのは、それらの田んぼはほとんどが米作りを行っており、専業農家は各地域に一軒あるかどうか。
一人の専業のコメ農家に小作依頼が殺到しており、受けるのも限界に達しようとしている。
当グループの田北さんなど、椎茸栽培の他、育牛の牛5頭を飼い、さらに
お米の田んぼを5町歩ほど請け負っている。最早限界状態。

又、多くの兼業農家も75歳以上と高齢化が進み、後を継いで農業(ほとんどがお米作り)を続けていくべき子供たち(後継者)は、労多く先の見えない農業は継がない。
 
むかし野菜の邑には田畑を借りてくれないか、後を継ぐ人はいないか、などの問い合わせが増えている。
国はこの現状に一切の対策を打とうとしていない。
見捨てられようとしている地域の現状がある。
網の目のように張り巡っている膨大な用水路。日本の歴史であり財産でもある。
今、それを管理する後継者がいなくなりつつあり、ここ数年で水路管理ができなくなる。
そうなると、治水管理ができなくなり、異常気象の中、予測を上回る雨が降る現状、洪水が多発することになる。

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艶やかな野菜たち

化学物質や畜糞肥料を使わない自然に順なる農業で育てられた野菜たちには、
いつもはっとさせる美しさがある。栄養価の高い高品質野菜の色は、ナチュラルな
色彩を放つ。

有機農業の現状

日本の有機農業面積は、全国耕作地の0.2%しかない。欧州の主要農業国では4~6%に達している。
何故、有機農業が増えていかないのか?
その要因はいくつかあるが、主な要因は、日本の有機JAS規程にある。

    日本が有機野菜の称号を消費者保護の名の下に、有機JAS認定者に限定しているからであり、

    有機JAS認定を取得するためには、煩雑な書面審査が求められ、なおかつ、一商品に50銭のシール代が必要になり、毎年、書面での更新手続きや報告が義務付けられている。

    化学合成した肥料や農薬の使用を禁じており、温暖化が進む北海道及び長野以外では害虫の発生がおびただしく、必要最低限の農薬を使用しないと野菜生産ができないという現状がある。

    しかも、流通市場では虫食いの痕が残る野菜は売れない。

    最後にこれが大きな問題となるが、国の政策では有機野菜への規制はしているが、保護は一切無い。

 
世界でのオーガニック認定の農産物に、実は日本の有機JAS認定農産物は認められていない。
それは、一度有機JAS認証を取得すれば、後日、書面審査さえ受ければ、如何にして農産物を作っても有機JAS農産物となるからであり、世界のマーケットでは信頼されないことになる。
特に大消費地に住む消費者の少なからざる方々は、有機JAS認定野菜に懐疑的であり、信頼も薄くなりつつある。
むかし野菜の邑にはそれらの不信感を抱いた多くの消費者から問い合わせがあり、すでに全国にいる400名のむかし野菜の定期購入のお客様のうち、関東のお客様は150名以上に達している。
 
これらの要因によってデメリットの多い有機JAS農産物生産者はむしろ減少傾向にある
現在では、安全な野菜作りを志望する有機野菜生産者(国は認めていない)は、むしろ自然農に近い生産方式を採用しようとしているし、高感度な消費者の支持者が増えている。

有機野菜の販売を手掛けている「大地の会」などでは、コストとリスクと手間のかかる有機JAS認定野菜から離れて、独自の有機野菜(これを国では有機野菜と呼べない、おかしな話ではあるが)の基準を定めて、お客様に販売しようとしている。まさしく有機農家の自衛手段である。

日本の政策では、大規模農業及び機械化農業を推進している。
どこにそんなに広大な面積の農地があるのだろうか?
地域には一反(訳300坪)単位で農地が散在している。
そこでは、近代農業ではなく、小規模な露地栽培及び有機栽培、つまりは、高集約化農業しか適さない筈なのだが・・・