農園日誌ー冬野菜の管理

30.2.21(水曜日)曇り、最高温度11度、最低温度2度、

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 春はもうすぐそこに!
数十年ぶりの寒い冬がようやく終わろうとしてる。
この時季、ビニールトンネルは欠かせない。
野菜は12度以下では、発芽が難しい。そのため、露地栽培の場合、真冬の野菜の種蒔き後は、織布をベタ掛けし、ビニールトンネルで二重被覆し、発芽を促す。
時季にもよるが、織布を剥がすタイミングが難しく、本葉が出て、野菜の丈が3センチ以上になると、剥ぎ時。
写真の場合は、二月の気温が低過ぎて夜になると氷点下、日中は8度前後であり、
織布を剥ぐ時期を遅らせた。(トンネル内の日中温度は20度前後)

時にはこの剥ぐ時期を間違い(正確に言うと外気温の変化が激しかった場合)
蒸れて全滅してしまうこともある。

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これは紫大根

除草して蒸れを防ぎ、
また、トンネルを掛ける。
この程度大きくなると、トンネルを掛けたままでは、外気温が10度以上になると、蒸れて
カビが発生したり、葉
ダニが異常発生する。
やがて腐って落ちていく。

このため、トンネルを剥いだり閉じたりを繰り返すことによって、野菜を守ってやる。
外気温が安定的に最高温度12度、最低温度2~3度になると、トンネルは全面撤去となる。

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これはサラダ蕪。やや小さいがこの寒さのせいであり、もう大人(出荷適期)。
こうなると、外気温10度前後のこの時期、剥いだままで緩やかに成長を促す。

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これは越冬した空豆。霜害により、先端  ツァーサイが寒いのに莟立ちしている。
が凍死している。復活を期待する。     この中国野菜の真冬の管理は難しい
                           それでもこの莟が美味しい。

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先日の土曜日、大分県宇佐市院内に、柚子農家を訪ねた。
当農園と長年の取引である福岡のフレンチ、ジョルジュマルソーのオーナーシェフから無茶ぶりをされた。(いつものことで、職人気質であり、既に諦めているのだが)
この時季、無農薬の柚子は無いか?とのこと・・
一時間を掛けて、以前から気になっていた「佐藤敏昭」さんの「ハンザキ柚子」を求めて訪ねて行った。

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左側が玄関で、今頃、前室畳敷きの玄関が残っているなんて・・・花一輪が奥様の人柄を忍ばせる。
木に残された数個の柚子が太陽に眩しく映え、目に飛び込んできた。

ご主人に案内されて集団(営農)栽培をしている柚子園を見学。
何でも、佐藤さんの義父が部落に呼び掛けて柚子園を開いたとの事。この柚子園の中で唯一佐藤さんだけがいまでも無化学肥料・無農薬の栽培を継承しておられる。
東京から奥様と一緒に院内に帰郷されたそうだ。
出荷の残りの柚子をお土産に頂き、早速マルソーに送る。
手に取って鼻を付けると甘くかぐわしい香りが鼻腔をくすぐる。良品の匂いがした。
こうなると、農園主は何とかこれを世に出したいと思ってしまうから、困ったもんだ。
早速、柚子の備蓄の仕方を考えてしまい、保管方法を具体的に提案した。

ここでも山間地農業の後継者不在が重く圧し掛かってきている。

農業は「利」を求めるだけでは、続けられない仕事である。
どうしても生き方(生きていく意味や価値観)が大きなテーマとならざるを得ない。
それでも、農園主は農業で生きていけなければ続ける意味もないと考えている。
世の中の仕事のうちで、絶対になければならないのが、農産物生産という仕事で
ある。
そのテーマを考え続け、実行し続け、試行錯誤を繰り返すのが、むかし野菜の邑であると、腹に据えている。

また一人、仲間ができた。それが昨日の収穫ではあった。