農園日誌ー当世若者気質

30.2.14(水曜日)晴、最高温度15度、最低温度ー2度

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             由布市狭間町の古代小麦の圃場

 例年であれば、今頃は、子供も動員して全員で麦踏を行っている筈。
今年は、あまりの寒さに麦も本葉がしこらず、まだまだ幼苗状態。
生育が遅れ、刈り入れ時季がずれ込むと、梅雨時期にぶつかってしまう。
やきもきする自然農の穀類。

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こちらは、独立途上の後藤君の麦畑。
大麦を中心に種を蒔いている。

今年は去年試験的に大麦を蒔いてみた。
大麦60%精麦と古代小麦ブレンドして
麦ご飯セットを開発した。
さらに、麦を焙煎して
麦茶も作ってみた。
それが農園主も驚く美味しさ。これらの圃場もすでに草木堆肥歴3年目。
これほど劇的に穀類が美味しくなることは予想外。
ワンカップのお米に、大さじ一杯の麦ご飯セットを入れるだけで。今まで食べていたご飯が一変したし、麦茶に至っては、がぶ飲みするのがもったいないほどの旨味と馥郁とした麦の香り。
座敷でゆったりとくつろぐためにあるような麦茶となった。
やはり草木堆肥歴3年以上で、土が変わることを、改めて実感した昨年だった。

当然にお客様からは、毎月欲しいとの要望が数多く寄せられた。
400人の仲間達への生産量は確保できない。
それだけに今年にかける思いは、スタッフ一同、強いものがある。
とは言っても隔月に遅れればよい方であり、大豆・自然の米による味噌と合わせて
製造に向けて頑張っているものの、要望に応えられないもどかしさは募る。

(当世若者気質)

農園主が若いころは、取り敢えず良い会社に就職し、とにかくがむしゃらに頑張り、上に認めてもらい、末は社長か役員に・・・が一般的であった。
今の若者の多くは、安定した会社に就職し、とにかく生活を確保するという事が、第一義にあり、上を目指すより、きつくなく、余暇も取れ、会社は生活費を稼ぐところであり、仕事に熱中することもなく、厳しい会社はブラック企業と呼ぶ。

夢と希望の乏しい社会を反映しているのかもしれない。

当農園でも一体何人の若者が去っていったか、確かにこの農法はきついし、一人前になるには7~10年を要する。
そのため、むかし野菜の邑を設立し、結い(相互支援)の仕組みでそれら若者が一人前になるまで支援しようとしている。
その一人が三十代前半の竹内君・後藤君であり、今一人20歳になったばかりの
小原君も居る。
彼らは、お客様と直接向き合っている当農園のスタイルが逆に励みになっているようで、お客様(仲間と称しているが)の美味しいの一言が明日への力になっており、
自負心が芽生え、独立と結いの仕組みが彼らの原動力になる。
農園主も歳を感じており、次の世代が育つことが目下の大きな命題となっている。

農業をしたいと言って訪ねてくる若者もいるのだが、どうやら独立するのだよ!と言うと毎日の農業の過酷さと合わせてプレッシャーを感じてしり込みする者が多い。

夢の持てない世代にどのように向き合って行くか?課題が多い。

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厳しい冬も春の兆しが見え始めており、農園では急ピッチで春野菜の植え込み作業が行われている。左は春白菜・右はツァーサイの定植作業の風景。
寒さはまだまだ厳しく、この後、雨を待って、トンネルを掛ける。


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トンネル掛け作業中。            草木堆肥と灰を撒き、トラクターで起こす。

社会全体が、重苦しく、「忖度する」ことばかり。
本来の意味である忖度とは異なり、権力に阿る忖度社会とはどういったものか?
現在は、若者たちに夢を与える社会では無い。
が故に、私たちの大人の世代の責任も大きいのではないでしょうか・・・