農園日誌ー仕事納めー今年を振り返って

29.12.2(水曜日)晴、最高温度10度、最低温度2度

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 今年最後の日誌になりました。
今日は、レストラン二件の出荷を終えて、年末の清掃・整理作業を行いました。明日も続きます。

この一年間を振り返ってみると、ずいぶんと忙しい年でした。
むかし野菜の邑の新社屋建設、オープンイベントを兼ねた「集い」の行事、それに伴う九州朝日のテレビ放映、
約2,000人の問い合わせの受付、急増したお客様への野菜等収穫発送作業に追われている間に、11月を迎えてしまいました。
その間、新たな仲間が随分と増えたことを、只、喜ぶ訳にはいきません。
仲間(お客様)が急増することは大きなチャンスであるとともに、大きなリスクとなります。
新たな仲間達に野菜をお送りする事は、10年以上も野菜を取り続けていただいている仲間達への配送野菜が薄くなることに繋がる。事実そうならないようにするため、かなりの労苦が伴った。
自然循環農法では、労力と時間を要し、生産リスクも大きい。そのため、育ってくれる野菜には限界がある。
その意味では貴重な野菜となる。

最後に大きな落とし穴が・・

 9月頃より台風が三回訪れ、集中豪雨の連続、長雨と日照不足、高温多湿による害虫の大量発生、種を蒔けども蒔けども、全滅する。その繰り返しをしているうちに、いきなり、実りの秋が蹴っ飛ばされ、厳しい冬が訪れた。結果として、早い休園となり、皆様の期待を裏切ってしまった。

野菜不足に加えて、新たな難問が配送会社からもたらされた。
アマゾンの宅配(送料無料)急増に端を発し、全国の宅配配送会社に内包されていた時間外未払い・過重労働の問題が一気に噴出。この機会を捉えた配送会社の運送代金一斉値上げ要請であった。
結局、その帳尻は、宅配を使っているむかし野菜の邑などの中小会社や消費者の負担増となって帰ってくる。

そのことを、察知し、かねてより考えていた良質な海産物(野菜との)混載発送を模索し始めた。
お客様の負担増を相対的に軽減するためには、食生活に必要な食材に限って、お送りする量を増やすしかないと考えたからです。
お客様のご意見の(海産物混載について)聞き取りから始め、化学薬品を抑えている良質な海産物製造会社との折衝を同時並行して行った。
約80%のお客様から賛同を得られ、事なきを得た。現在もそのご意見聞き取りと商品開発などの折衝は続いている。

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高菜が厳しい寒に晒され、傷み始めている。急遽、高菜の漬け込み作業に入る。収穫して、天日に干し、
塩で揉み込む。加えるのは、自家製とうがらしのみ。
皆様へお届けできるのは、古漬けとするため、8月以降となる。



新年からは、野菜も順調に育って大丈夫ですよと、言いたいところではあるが、幼苗が育つには、15度前後の気温が必要であり、この寒さでは野菜はわずかずつしか育たない。
年明けも厳しい商品不足となる予感。



冒頭の写真は太陽と雨に晒すため、トンネルを束の間剥いだ12月25日の写真です。
去年まだ一回も出荷されていないホウレンソウです。既に大人にはなっているのですが、未だ小さいホウレンソウのまま。明らかに寒さによる成長不足です。それでも1月中旬頃には出荷を強行する。

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これもまだ一回も収穫していない白菜とキャベツ。長い間、農業をやってきたが、こんなことは初めて。
ほとんど毎日顔を見せて、唯、頑張れと言うしかない。


一年間、そんなこんなで過ぎて行ってしまいました。
過ぎてしまえば、過去の苦労は忘れる。それも農業です。
去らない冬は無いのですから・・・頑張っていればいつか良い事もある。

今年一年間、振り返ってみれば、皆様には、ご迷惑のかけ通しでした。
それでも変わらず励ましの言葉を掛けていただき、本当にありがとうございました。
どうか、農園の仲間たちにおかれましては、良い年をお迎えしてください。

                                                           敬具、