農園日誌ー年末を迎えて

29.12.13(水曜日)晴、最高温度9度、最低温度1度

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             由布市狭間町下市の穀類専用畑を耕す

 今週で事実上、今年最後の発送週となる。
農園では、この時季、大豆の収穫と脱穀作業を行う。今年は、去年全滅したため、例年より多めに作付けを行った。
明日は、狭間町の約一反半の圃場に古代小麦を中心として、麦を蒔く。
午後からは、その狭間の圃場から収穫したばかりの大豆の脱穀作業を行う。
誠に慌ただしい作業が続く。
一つの圃場に年間大豆・小麦・とうもろこしのいずれかの二毛作を行うためである。
大豆を収穫したその日の午後には堆肥と焼き灰・牡蠣殻を撒き、即、耕す。

12月末頃には、米麹を」作り、大豆を蒸し、味噌つくりが待っている。
今年は少なくとも皆様に3~4回はお届けできるほどの味噌を作ろうと考えている。

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年明けの発送開始は、1月8日から。
ほぼ壊滅した秋野菜に代わって冬野菜の種蒔き・植え込みをできうる限り行った。
ビニールトンネルの中で、今のところ、寒さにめげずに、育っている。
おそらくこの白菜は巻かない白菜となるだろうが、一月中旬頃には、出荷に漕ぎつけると期待している。

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堆肥場、

年の瀬のもう一つの
年中行事であるのが、
剪定枝の破砕作業と
草木堆肥つくり。

作っても作っても足りないのが、この堆肥。
出荷作業がお休みの間に、可能な限り、
草木堆肥のストックを
作っておくことにしている。

むかし野菜の邑に県の副知事さんを迎える。

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 副知事さんに同行しているのは、振興局の部長・課長さんと秘書室の方々。
向かって中央には、二宮県会議員さん。一様は表敬訪問のようだ。
この副知事さん、国の官僚であり、大分県に出向してきている。
農園主としては、地域の崩壊=農業の崩壊について、語らねばならない。
農業後継者の育成のこと、品質に目を向けた農産物の生産方法のこと、有機農産物の奨励策と支援の方法のこと、消費者の潜在的ニーズの掘り下げのこと、地域への移住政策のこと、等々を語ったのだが・・・

そこでこんなやり取りがあった。

振興局(農業振興担当の職員が圧倒的に多い)も、農協中心の量の確保政策を、見直し、農産物の質に目を向けた振興策に切り替えてはどうか?と問うと、
その担当の職員を配置しておりますとの答えのみ。
具体策は何一つ見えてこない。これも相変わらずの役人の模範解答に終始する。

では、むかし野菜の邑も含めて、県内でしっかりと有機野菜を実際に生産しており、
消費者へ直接及び間接的に接しようとしているのは、宇佐市の佐藤農園さんしか
いない。
それなら、その農園を基幹農園若しくは、模範農園として、研修生を育てたり、農業後継者育成に取り組ませたりすることはできないのか?との質問にも、何一つ、
反応は見せない。難しそうな顔を見せるのみ。

現在、高品質野菜である真の有機農業を育てている農家が減少の一途であるのに
具体策は打てないのか?の質問に・・

ようやく副知事さんが、「なぜ減っているのですか?」と・・

私も苛立ち、そんなこともお分かりではないのですか?との言葉を飲み込み、
「それは、「有機農業者も含めてですが、後継者を育ててこなかったからです」と答えた。「何故、後継者が育たないか?それは先程から申し上げているように、一人農業では、農協も含めて巨大の流通システムに飲み込まれてしまうからです」

こんなやりとりをもうすでに過去何回も県の副知事も含めてやってきた。
虚しさしか残らない。

農園主の結論としては、高品質野菜生産をグループ営農で広げていき、賢明なる
消費者を育てていくことしか道はないようだ。
「私たちの最大の仲間は消費者しかいない」と益々考えるようになっていく。

宇佐市の佐藤農園さんからは、今後とも一緒に協力して行こうと申し出がなされている。
若いスタッフたちに、時代の潮流に飲み込まれることなく、頑張れる道筋だけは残してやらねばならない。

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                5・6番の圃場の全景(約三反)