農園日誌ー地域産業の育成とナチュラルマーケットの拡大

29.10.11(水曜日)曇り時折晴れ間、最高温度27度、最低温度21度

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                     草木堆肥作り

最近の4~5日は夏に戻ったかのような暑さが続いている。
それでも太陽はあまり顔を出してこない。明らかに日照不足となっている。
明日からは梅雨に戻ったかのように連日の雨が予想される。
そこで、急遽、農作業の予定を変更して、今日は堆肥作りということになった。
スタッフは朝からの出荷作業に追われ、仕方なく、農園主が一人で草を広げ、後は
発送作業を終えるのを待ち、バトンタッチとなった。
3~4日前に、これもスタッフが出荷作業中のため、炎天下、豪雨で被覆土が流されてしまい、雑草に覆われた葱の土寄せ作業を一人でやっていたら、急に目眩が襲ってきた。明らかに熱中症の症状。今日もややふらつく。この時季にと思う。

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10.10日ひさしぶりに
覗いた太陽。
遅れていた島らっきょ
エシャロットの種を蒔く
この日は、男性スタッフは5箇所で畑作り。
カリフラワーなどの植え込みや種蒔きを行う。

わずかの晴れの日を
待っての種蒔き・植え付け作業を行う。
秋野菜の植え付け本番である。

1.「むかし野菜の邑」の商品コンセプト
 素材感・素朴さ・ナチュラル・栄養価・美味しさ・懐かしさ・おしゃれ等々、
 
農産物生産は化学物質をできうる限り排除し、(畜糞もその一つ)露地栽培
 などの自然に順!がテーマ。
 それだけに草木堆肥作りは欠かせない。
加工品も素材感を活かすため、必要最低限の調味料しか使わない。塩・砂
 糖・酢など、
むかし健康であった時代の食文化(漬け物味噌などの無添加発酵食品・むか
 しおやつなど)を再現する。
 
主要な商品
 年間百種類以上の野菜(端境期を作らない)を年間を通して出荷し続けている。近年、自然農による穀類生産を開始。(米に続いて大豆・大麦・小麦・古代小麦・とうもろこし・粟・黍)
それらのグループ内にて生産した農産物を原料とした加工品の製造に着手。
従来は、漬物・味噌・黄な粉・餅最近は、麦御飯セット(大麦と古代小麦)・麦茶・全粒粉・バジルソース・
紫蘇ペースト・野菜の酢漬け(ピクルス)・紫蘇の実味噌漬けなどを製造。現在、上記コンセプトに基づき、様々な加工品を模索検討中。
 
むかし野菜のグループ化を推進中
 若い農業スタッフを育成し、独立を支援している。このため、むかし野菜の邑を設立。研修育成施設は佐藤自然農園とし、研修から独立までを支援し、むかし野菜の一員に育てる。
その根幹の思想は、「結いの精神」であり、共同作業・共同出荷・共同加工を行う。このことによって、実績経験も乏しく資金力のない若者を育成し、独立を促すことが可能となる。
 
出資者は現在のところ、8名。うち4名は独立した農園主。他にも協力農家は県下に5名いる。皆、志を同じくする者ばかり。
 佐藤自然農園の野菜穀類の他に、南瓜・さつまいも・かぼす・お米・梨・椎茸・柿・八朔・アスパラなどの生産者が居る。随分と大所帯となったものだ。

目下の悩みは若い人たちが農業を敬遠していること。研修生が集まりにくくなってきている。
 
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佐藤自然農園にて2年間研修を行い、独立3年目の後藤君の圃場。
去年は高菜の種を蒔いたが、大人になりきらず全滅した。今年は再度チャレンジ。不安そうな後藤君でしたが、草木堆肥歴2年半、間違いなく今年は収穫ができる。それでも、根菜類はまだ無理。何故なら根菜類は地中深く根を下ろすため、未だ10センチ程度しか腐植が進んでいない土壌では美味しく育たない。
5年経過するまでは,葉物野菜中心の組み立てとなる。


直接流通(定期購入)の仕組み
 農園直の取引のため、消費者達には、野菜などを限定及び指定することは認めておりません。食育の観点から好き嫌いなくすべての旬菜を食べて頂くことを前提とした取引を約束して頂いており、消費者に選択権は無い。それは加工品も同じです。
逆に言えば、お客様を常に飽かせず、どなたも納得いく商品でなければならないことを意味しており、商品選択には厳しい判断が要ることになる。
多くのお客様の反応はこうです。「何が届くか分からない、それが大いなる魅力です」「今まで経験したことのない美味しさで、荷が着くのを楽しみにしております」また、「佐藤さんを信頼しております。だから安心して子供たちにも食べさせられます」この仕組みは、長い間に構築した信頼関係から成り立っております。
その意味ではお客様ではなく、「仲間達」です。ゆえに絶対に裏切れません。
 
5.顧客作り(価値観を同じくする消費者層)
顧客作りには、市場啓蒙・啓発を行いながら、ということで、マーケティングの商品開発・コミュニケーション手法を取り入れております。15年間で
約500余名の個人及び飲食店の(全国)顧客がおられます。
全て特定固定客となり、スーパーなどのお客様に換算すると5,000名ほどの一般顧客に当たります。
ネット販売の基本は口コミです。数回のテレビ放映によって1,500名ほどの問い合わせもあり、全てのお客様へもお答えしました。現在は、口コミによって緩やかな広がりを見せております。ありがたいことです。

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土寄せ作業を終えて、10日ほど、経過したじゃがいもの畝(草木堆肥歴6年目の
5番の畑)ストローが伸びてその先端にいもが入る。
いもと言ってもそれは茎の変形したものであり、私たちは茎を食べているのですね。
畑はきれいでしょう。生きるドラマが繰り広げられている。私たちはそのお手伝いをしているに過ぎない。

6.今後の展開
 関東にてマルシェ販売を行っている若手二人に独立の気運があり、優秀な人材でもあり、当グループとしても支援を検討している。
彼らに指示したこと
①東京の青山にファーマーズマーケットがあり、生産者しか参加できない先で
 あり、そこの現況の調査を指示
②マルシェでは土日休日しかやっておらず、あくまでもイベントの色彩が強
 い。
③土日だけの営業では収支採算が採れない。月~金の販売を検討するように。
④むかしリヤカー販売があった。今では軽トラック販売ですが、東京にも田舎
 があり、大団地には買い物難民溢れている。特に足腰の弱い、車を持って
 いないお年寄りたちが困っている筈。
 彼らはむかし東京へ地方から出てきた人が多い。むかし野菜のように味香り
 がある野菜を懐かしむ筈。
 また、海産物、特に干物はむかし必ず食べていた。販売ターゲット層として
 は最適となる。
⑤大分の地域の産物は関東では理解してもらえる。但し、コミュニケーション
 の取り方一つである。
⑥個別売りから始めるが、むかし野菜と同じように、セット販売を強化し、定
 期購入客作りを目指す。
 
海のもの、山のもの、野のものなどは商品開発次第では昔を懐かしむ方々やその第二世代には必ず支持される。
 
むかし野菜グループも500名の定期購入顧客になっており、これくらいの規模の全国顧客となると、一つのミニマーケットと呼んでもおかしくなくなってきた。
 配送料の大幅値上げという状況になってきており、消費者のお得感を考える
 と、野菜や穀類だけの配送では
 一つの箱に同じ料金を支払うなら、海産物や山のものを少量入れることに
 よって需要満足を得られるのではないかと考えている。
 
当農園の立ち上げは、元来が地域活性化有機農産物を!と言った発想から始めたものでもあり、海山の産物が育つことは、当農園の発足趣旨に見合うものと考えている。
この機会に、当農園も便乗してみることを検討したい。
但し、野菜やその加工品を楽しみにして頂いている既存の仲間達に支持されるかどうか、やや不安でもある。
お客様全員へインタビュー方式でおたずねすることにしている。
 
関東市場をよく知っている(体験している)かれらと東京座来とのリンクを模索してはどうかとも考えている。
例えば、アンテナショップの活性化の方策(商品選定及び陳列の仕方、コミュニケニケーション手法等)を依頼するなども活性化策としては面白い。

大分県のブランド推進課他、振興局等と打ち合わせを行う。

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保育園の運動会の一コマ。これはとうちゃん・かあちゃんにお世話になって
ありがとう!と言っているのです。
いつものとおり、親ばか、ついでにジジババ馬鹿の光景が繰り広げられる。
この子たちの未来が明るいことを祈る。そのために私たちは何をしないか、
また、何をするかですね。