農園日誌ー48の瞳輝く

28.11.2(水曜日)晴れ時折曇り、最高温度18度、最低温度8度

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48の瞳輝く

 急に寒くなってきました。第一陣の寒波が日本列島へ襲来。
雨が一滴も降らない8月の日照り、一転、集中豪雨の連続、お日様が覗かない曇りや小雨の天気が続いた9~10月初めの気候。
乾く暇の無い圃場には虫が大量に発生し、出たばかりの芽を食い荒らす。
害虫に食べられた葉っぱから湿気で腐り始める。
成長しかかった野菜までもが、日照不足と湿気のため腐り始める。
種を蒔いても蒔いても落ちていく野菜達、その繰り返しを経て、当農園もついに休園を決断するに至る。

こんな気象現象は今までに経験したことがない。
スタッフ一同も休園の決断にショックの色を隠せない。

農園主としては、そんな状況に頭を抱えている暇はない。
次々と新たな回復策の指示を出し続ける。
今までにも圃場全滅の経験もしてきており、そんなに簡単に不安な顔を皆に示すようなやわな心では、とてもやっていけない。
これも農業であり、自然循環・露地栽培の宿命と割り切っている。

それよりもむかし野菜を待って頂いている仲間達に一時も早く秋冬野菜を届けることが先と考えている。
今では研修生も含めて農園主のそんな気持ちが伝わったのか、黙々と圃場の回復作業にいそしんでいる。

(子供たちへの食育)

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異常気象により、
かなり傷んでいる
人参を収穫する。

どんなに頑張っても、
気候の変化により、
野菜がこんなに傷む
こともあるんだよ!と
子供たちに教える。
だから、好き嫌いなく
野菜を食べなさい!

最初は神妙な顔をして
聞き入る子供達。

 そんな中、かねてから相談のあった農園体験を楽しみにしていた子供達のために、まる一日を潰して、11.1日、24人の小学校3年生と父兄6人、合計30人をお迎えした。
子供たちは、前日まで降り続いた雨のためぬかるんだ圃場や堆肥場での収穫体験・種蒔き・草木堆肥作り、そして、農園料理にて農業現場の貴重な体験を一日楽しんでいた。

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この圃場では、
害虫の被害が比較的
少なく、2回の蒔き直しにより、ようやくここまで育った小松菜・青梗菜
大根達。

農家の人達の絶え間ない頑張りを伝える。

何の野菜か分かるかなの質問に、一生懸命に考えて答える子供達。


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黒大豆の枝豆の収穫

地面にしっかりと根を下した大豆に子供たちの力ではかなりきつかったのだろう。
大人が手伝いながらの収穫作業。

枝豆は好きか?と聞くと「好き~」と答える
子供達。
だいぶ余裕がでてきたようだ。

収穫した野菜は、即、調理するために研修生が調理場に直行。
自分たちで収穫した野菜を農園で食べることが一つのテーマでもある。
まさか好き嫌いは言うまい・・・・?

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ほうれん草の種蒔き。
蒔く作業の手順などを聞く子供達。

真剣な顔付きに変わってきた。
子供ながらに緊張しているようだ。

中々、バランスよく蒔くことが難しく、それはもう大変!
でもよく頑張った。


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今度は圃場を代えて
わけぎの種蒔き(植えかな?)

どうですか、この真剣な顔・顔・・
間隔がまちまちなのは
致し方ないが、実に上手に植え込んでいる子もいた。

農園にスカウトしたいくらいだ!

研修生より上手だぞ!と誉めてやると、にっこりと微笑んで、もう種は無いの?と・・
今度またおいで!手伝ってくれるかい?・・もっと豊かな表情で、微笑む。

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さあ!お待ちかねの
食事タイム。

この男の子は作業中も
腹減ったと連呼していたが、流石によく食べる。

最初から最後まで食べ続けていた。
枝豆もご飯のように口の中に流し込む。


この日の料理メニューは、自家製味噌による野菜たっぷりの豚汁・農園自慢の野菜万頭・枝豆・さつまいもの餃子風、そして、人参・ピーマン・南瓜などの焼き野菜(炭火)、デザートは柿。
農園スタッフ(お母さん達)の手作りでした。

子供たちは、日本の未来を担っていく宝物です。
その子供達を取り巻く社会は、必ずしも、伸び伸びとした環境にはなく、親や社会が
押し付けた「規制」の中に居るようで、あれするな!これするな!汚れる!団地から出てはいけない!公園は一人では遊んではいけない!団地内では自転車に乗るな!などといかにも大人の目線での自制が多すぎて、子供たちに伸びやかさがみられない。
社会全体が病んでいるのかもしれないが、せめて、この農園内では伸びやかに子供たちの発想を大事にしてやり、思い切り遊ばせて、かつ学ばせてやりたいとの思いから、このように農園体験という形で受け入れている。

新社屋完成(来年4月以降)してからは、そのような体験ができる施設作りを目指している。

→次回へ続く・・・・