農園日誌ー

28.10.12(水曜日)曇り時折晴れ間、最高温度23度、最低温度16度

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              9月以降、三回目の種の蒔き直し

 ようやく、秋らしい気候になってきた。
二か月に及ぶ乾季(雨が一滴も降らない)が過ぎたかと思うと、今度は連日の豪雨が続き、高温多湿の気候が9月の天候。そのため、種を蒔いても、豪雨で潰されたり
ようやく発芽して大きくなり始めたら、害虫の異常発生により、瞬く間に葉っぱはすだれ状態となり、多湿の気候のため、葉っぱから腐り始める。

 例年もこの時季は、二回は種を蒔きなおすこともあったが、流石に三回、蒔き直したのは初めての経験。秋野菜は一か月確実に遅れることになる。
今度は急な寒気が訪れて、成長不良になるかもしれない。
白菜・キャベツは未だに畑には無い。育苗ハウス内で何とか苗が出来つつある位。
これも露地栽培の宿命とは思うが、毎年訪れる異常気象は、益々露地栽培を困難にしていく。

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 白い織布が罹っているところは、昨日三回目の蒔き直しを行った。
左の畝を拡大したものが右の写真。これは大根。これも鋤き込んで種を蒔き直した。
此処には害虫がかなり生息しており、他の処にアブラナ科の野菜は蒔き直した。
頼みの綱の秋茄子はあまりの湿気と降り続いた雨のため、土の中の密度が上がり
呼吸困難になったのだろう。萎れ始めている。

万事休す。

何とか野菜を繋ぎたいと思っている。お客様にはしばらく、同じ野菜が続くことになるが、耐えてもらうしかない。幸いに一本葱・黒大豆(大納言)の枝豆・筍芋などは、比較的順調に育ち始めている。

(狭間にいる農業)

 昨日、私の古巣である銀行から研修を求めて二名ほど訪ねてきた。
その機会に、当農園の若いスタッフ達にも教えておく必要があり、ジョイントセミナーを行う。
以前にもお話したが、現在の農業は、国の農政→農協→流通へと一つの確立した
流通形態が出来上がっている。つまり、既存流通・既存農業の形である。
国の奨励してきた大量生産方式=単一栽培は、必然的に農業者の独立心や探求心を確実に削いでいった。それが上記の大量流通の形である。

 そこでは品質よりも見え形・均一性(規格サイズ野菜)が全てであり、それが良質の野菜ということになる。これは有機市場(有機JASを専門に扱うオイシックスなどの有機専門店)でもやはり同じことが言える。

 最近、農協に属さず、独自の生産・加工・販売を目指すアグリ事業を行う方が増え始めている。彼らの多くは、規格ではなく、当然に品質を追求しようとしている。
ところが、いざ、事業を始めようとしてもアグリ事業のリスク判断(基準)を整備している金融機関が無く、ノウハウも蓄積されていない。
そのため、農協系金融機関の独壇場となっている。
これでは、国・農協・既存大型流通の図式からの脱皮はできない。

そこで今回のセミナーとなったのだが。
マーケティングを軸とした新たな農業形態をセミナーの内容とした。

既存の概念や国の規制や古い農地法などは、自由な農業の世界を阻害し続けている。少しでも多くの自立した農業者が育ち、アグリビジネスのマーケットが育ってくれることが、農業を変えていき、地域に活力が生まれるとの思いから、この農業セミナーを行っている。

残された時間は少なくなっている・・・

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これは去年の今頃の
農園の風景。

今年は、未だ種蒔きを再チャレンジしている。

余りにも違う風景に
農業の厳しさを改めて知る。

今年の冬は厳しくなりそうで、秋冬野菜の成長が心配される。

頑張っていれば、良いこともあるだろう・・・・