農園日誌Ⅲー、むかし野菜の四季

2020.8.19(快晴)最高温度35度、最低温度26度

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              茄子の最盛期を迎える

 

去年、茄子の不作となり、その教訓を活かし、今年は中耕・剪定誘引管理に

気を張ってきた。その甲斐があり、この酷暑の中、枝には茄子が鈴成り状態。

その元気を持続させるため、男性スタッフ達が連日の水遣りをしてくれている。

 

2020.8.17 台風襲来を待つ

 

今年の気候は・・と毎年言っているが、またしても記録的な暑さをもたらして

いる。そもそも日常的に最高温度が35度以上と言うことは今まで無かった。

それもさることながら、梅雨期の集中豪雨により、野菜達は土が塊り、

酸欠状態に陥る。一転して雨が降らない乾期へ突入してくる。

こうなると露地野菜達は息つく暇も無く、成長が阻害され、花落ち、実落ち、

葉っぱは黄色く変色してくる。生きているのがやっとの状態となる。

どうやらこの気候変動は恒常的になっているようで、特に露地野菜の栽培は

年々厳しさを増してくることになる。

農人は固まった土をほぐし(畝上げ)、乾季にはタンクに水を積み、散水を

繰り返し、一所懸命に野菜を助けようとするが、やはり天から降ってくる雨の

力には勝てない。

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茄子は葉っぱが茂り、側枝が無数に出てくる。そうなると光と風が入らず、茄子の場合

常の剪定誘引作業が欠かせない。古い葉っぱや無駄な側枝や茂った葉っぱを摘除し、透いて

やらねばならない。この作業が中々に根気の要る作業である。経験と勘も要る。

 

その時、露地栽培農家を、そして野菜達を救ってくれるのが、台風ということ

になる。

大型台風の直撃を受けて全滅になることもしばしばではあるが、台風は露地

栽培には決して欠かせない天の差配である。日本の気候(四季)は真に良く

出来ている。

これが最近の数十年で徐々に変化してきており、四季が壊れ、年々厳しさを

増している。

今までであれば、8月の盆明けには、何の種を蒔いてと言ったセオリーは最近

の気候ではもう通じない。

 

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翡翠茄子; 白茄子などと同じ系統の茄子。味は繊細で、クリーミー

 

当農園では、捨て植えを良くやるようになった。一か八かで種を蒔いてみる。

概ね失敗するが、時には希に成功することもある。

こんな繰り返しをしているのです。

現在、個人・飲食店を含めて全国に二百数十名の定期購入のお客様が待っている。

農園を信頼して、自らの健康のために、自然循環農法による自然野菜を待って

居られる方を裏切るわけにはいかない。この自負心とプレッシャーが我々の

精神力を支えている。

今週末頃、気候の変わり目を迎えるかもしれない。それでも最高温度は33度

である。ようやく秋野菜の植付け・種蒔きを始められる。

今日、育苗トレイやポットに胡瓜・ズッキーニ・秋インゲン・ブロッコリー

などの種を蒔いた。

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三色茄子; 紫・白・緑の三種ある。こちらは東南アジア原産の品種で、炒め物に合う。