農園日誌ー台風逸れる

27.7.16(木曜日)曇り、時折小雨、風強し、最高温度26度、最低温度23度

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           台風対策を終えた夏野菜の畝(三番の畑)

すわ、台風直撃、の天気情報が入ったのは、数日前であったか。
それからは、農園の通常業務(畝作り・種蒔き・植え込み・除草作業・発送作業など)
は主にスタッフに任せ、除草しながらの支柱立て・枝誘引・紐掛け作業を専らとする農園主であった。勿論、通常業務を終える夕方からは男性スタッフもその作業に加わる。

何しろ、茄子・ピーマン・パプリカ・万願寺と伏見とうがらしなどの夏野菜はおそらく
800本以上は植わっているだろうから、その全てを守ってやらねばならない。
蒸し蒸しする中、蚊に食われ、気が遠くなるような誘引作業を今日終えた。
これも露地栽培の宿命とも言うべき作業。彼らを守ってやるハウスは無いのだから
今までの経験では、風速15mの風が半日も続くと、枝先は飛び、復活するのに
約一ヶ月を要する。
風速25mが続くと、結んでいる太い枝もちぎれて、幹だけになる。復活するには
二ヶ月は要する。
風速30m以上が続くと、根こそぎ持っていかれて、何も残らない。
台風が直撃した四国では将にその状態となっているだろう。
天のなせる差配ではあるが、これが農業というもの。
四国の農人の方々にはお悔やみ申し上げます。
このような自然災害は何時農園を襲ってこないとも限らない。
それにつけても、農産物の価格の安さかな!とこのような際、いつも考えてしまう。
おそらく四国の農人の方々も、うちと同じように必死に台風対策を講じていたのだろうが、その努力も全て無駄になったのではないだろうか。
今から7年前だったか、当農園も台風が過ぎた後は、一面の湖と化し、なにも残らないということが起こった。

今回台風が逸れてくれたことは天の神様が一生懸命頑張って農業をしており、台風対策に費やした労力を哀れと思い、愛しんで頂いたのだろうと、思うことにしている。
お陰でご覧のようにきれいな、絵に描いたような美しい夏の農園風景となった。
梅雨が明けて、これから、夏の太陽を浴びて、農人達が畝下を掘り上げ、中耕することによって根が酸素を吸収して大きく育つことだろう。

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日曜日の昼下がり、太陽を
浴びての誘引作業。
根気と集中力が要求される
意外とくたびれる作業となる。


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こちらは雨上がりの夕方
万願寺・伏見とうがらしの畝
(四番の畑)

とりあえず今回は助かったが
今から台風シーズンに入る。
台風12号も不穏な動きを
見せている。
若し、太平洋高気圧がもう少し強かったら間違いなく
農園に直撃していただろう。
天の営みは将に紙一重

人智を尽くして天命を待つ。農業はいつもこうだ。
農業を始めてから学んだことは、活きているというより、生かされていることを自然から学んだ。だから、今日を一所懸命に生きていくことが大切なのでは・・・

昨日、国会では安保法制といったわけの分らない法案が自民党単独で採決を行い
衆議院を通った。
裏の実情は、これ以上、軍事に国費と労力を仕えないアメリカの事情に、日本が追随・参加する途を開いたといったところだろうが、このあいまいな法制が、日本人をどこに導いていくのか?それすら時の総理は解っては居ないだろう。
元来、外交は不透明なもので、何時どのように変化するかは、誰にも予想が付かないもの。台風のように・・ちょっとした機会で暴発することもしばしば。
そこに日本が大きく足を踏み出す入り口を作ったようなものだろう。
その怖さを今の日本人、利己主義に固まってしまい、他を思いやる余裕も無くした
日本人は分っていないのではないかと危惧している。

独善的・幼児性を供えた総理大臣が威を張り、強い日本を強調すればするほど、
複雑化・民族主義化した国際政治の世界では、大きなリスクを引き入れる事に繋がり、将来のある子供達が命の危険に晒される事になる。
その権力者を生み出したのも全て日本人達なのです。

個々が自らの価値観を持たず、体制に押し流され、黙ることは容認することです。

農園日誌にこのようなことを書くのは本意ではないのですが、未来ある子供達を
育てることをテーマとして掲げている当農園としては、日常のことも大切ですが、
それと同じように将来の子供達に負の遺産を残すことは決して許されないことです。今の大人達に大きく目を開いていただきたいと、願うからです。

イメージ 5芽を吹き、成長を始めた
黒大豆(大粒)ー五番の畑

この黒大豆は、出世豆です
まず最初は、枝豆として
色が紫がかってくると
ビーンズとして、
最後は煮豆として、
頂きます。

晩秋の味覚として今では
一番人気になりました。

当農園の野菜達の一番の支持者は誰でしょうか?

今まで多くの方々から野菜の美味しさについてメールを頂きました。
旨い・甘い・食感が良い・包丁の通りが最高・やさしい味香りがする、などと数限りないお便りを頂きました。それはそれで嬉しく、励みになりますが・・・

「子供が黙って食べてくれます」
「野菜が着いたら決して開けないで!私が開けるから」
「うちの子供はピーマンが大好きなんですよ。と言ったら他の奥さんから、え~嘘っ」
「このトマトは私のもの。と言って、冷蔵庫に入った数を毎日数えている娘」
「テーブルの上に塩胡椒だけで炒めた野菜を置いていたら、いつの間にかみな無くなりました。野菜嫌いなんですよ。うちの子」

一生懸命にむかし野菜の美味しかったことを書いて頂いた方には申し訳ないのですが、このうまく言葉を使えない穢れない子供さん達の様子をお聞きすることが一番嬉しく、決してこの子達を裏切れないな!とますます美味しく栄養価の高い安全な
野菜を作ることに力が入ります。それが一番の励ましですね。