今週の野菜ー本格的な梅雨入り、

27.6.11(木曜日)終日雨、最高温度25度、最低温度17度

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         雨の降り続く一週間、夏野菜の管理作業が続く

本格的な梅雨入りしてからすでに10日間、うち7日間は雨が降り続く。
今年はエルニーニョ現象が発生しており、冷夏の予想。
梅雨が長く、連続した雨が降る週も多くなりそうな気配であり、梅雨の切れ間を狙って土作業などを行う日程のやりくりの算段をし、雨の合間を縫って夏野菜の支柱・
除草作業を行う。雨合羽が手放せない。
泥んこになりながらの作業が続きそうで、スタッフ全員のモチベーションや体調管理
を気にしながらの梅雨時季を乗り越えていかねばならない。

梅雨が長い年は、蒸れや湿気による腐れや病気の発生及び虫の大量発生を防ぐため、夏野菜の管理方法が変わる。地面に近い下葉や込み入った葉っぱの除去は大胆に行う。
要するに風の通る道を作ってやり、蒸れを抑えることになる。
経験と体力と、そして根気が必要。これも露地栽培ならではの労苦ではあるが、
盛夏になって美味しい実を付けさせ、夏野菜を待っているお客様に美味しいと言わせたい、との思いがなければ、また、仲間達(お客様)の美味しいとの声が届かなければ、続けられない。

イメージ 2梅雨時季の貴重な晴間

右側はインゲン豆
左側は胡瓜の棚
いずれも初夏野菜。

6~7月にかけて最盛期
を迎える。

夏野菜に不可欠なもの
が竹の支柱。



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今年二回目の竹の切り出し作業風景。
胡瓜・インゲン豆・トマト・茄子・ピーマン系など、この時季には支柱として大量な竹が必要となる。藪蚊に纏わりつかれての作業となった。

実に原始的な畑の風景となるが、ハウスを中心とした近代設備を完備した施設園芸と異なり、一見無駄なように見えるが、自然と一体化した真に無駄の無い農園の原風景がここにはある。
農薬・化学肥料・大量の畜糞・アルミ・ビニールなどと比べて、ほとんどが焼いて灰となり、それがまた。畑に還元され、土となる。但、その分、労力と手間を要することとなる。

最近、お試しセットのお客様から、正反対の感想がもたらされた。

あるお客様からは、野菜の味や香りが濃過ぎて、また、食感が硬くて食べづらいし、苦味も感じる。無農薬だからなんでしょうが、価格も高いのでびっくりしております。

他方のお客様たちからは、箱を開けてそのきれいさに感動しました。野菜も丁寧に扱われており、作る人の思いが伝わってきました。
そして食べてみたら、その美味しさにびっくり、野菜に色んな味香りがあり、野菜って甘いだけでは駄目なんだと、気付かされました。包丁の入りが良くてびっくり。
こんなに安くて大丈夫なんでしょうか!心して食べねばと・・。出会えて家族共々
感謝しております。

女性スタッフからは、野菜価格に気を配り出荷しているのに、高いとの感想に悲しく
感じていると漏らして来た。おそらく農園のスタッフ達の日常の仕事ぶりをみて、
その手間と労力と気の配り方を秤にかけてのことでしょうが・・・

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天気予報は一日中雨の予報

それを見越して前日、忙しい出荷作業の後に、引いていた
赤玉葱の整理選別作業を
行う。(大根の甘酢漬けも)

茎が残っているものは、
葉を除去し、紐でくくって
小屋裏に吊り下げて乾燥
保存。
約10ヶ月間、出荷される。

その予報を見越して居た者が他にもいた。お弁当を用意しておらず、昼頃に
帰宅するつもりであったようだ。女性スタッフのうち、約一名。
案の定、農園主からは、今日はこれで解散の声・・・流石、先を読んでいる・・・?

とある自然農を目指す若者がいました。その価格を聞いて流石の私もそれは高過ぎるのではないか?と言いました。(勿論、彼の作った人参を食べてからの意見ですが)  彼、曰く、自然農ですから、当然ですと・・・
彼にはこのように伝えました。

「マーケットには、様々な客層があります。貴方と同じように自然農だから高くて当然だと考える方もおられます。それはどちらかと言うと思想に近く、もっと言うと宗教か
もしれません。それらの方々は野菜を概念で選んでいるのだと思います。
しかしながら、その思想に染まっていない方が大多数を占める市場では、野菜は
みてくれや価格で選ぶのが一般的です」

「その外見や価格で選ぶ一般消費者や概念で選んでいる消費者も、私は同じだと
思いますよ。つまりは、真に自分(自分の舌)に自信が持てず、世間の常識や権威に頼っているに過ぎないのではないでしょうか?
少なくとも自然農や有機野菜の世界を目指すならば、自らの舌を絶対の舌に鍛えていかねばなりません。勿論その物差しは要りますよ。
私は、その物差しを、味・香り・食感・旨みに置いております。
最後に、己を過信してはいけませんよ。これだけ美味しい野菜を作って、日夜努力しているんだから、この価格は正しいのだ!とね。
信念を持って美味しく栄養価の高い野菜(安心安全は当たり前ですね)を生産できたとしても、お客様へそれを伝える努力はまた別のものです。それが野菜作りにもう一つ不可欠なこと、コミュニケーション能力ですね。美味しい野菜を作ったから売れるのだと言う盲信はいけませんよ」

その若者はしばらく、孤高の一人農業を続けてはいたが、
残念ながら、今はもうこの世界には居ない。