農園日誌ー農園の長期休暇

27.1.8(木曜日)晴れ、最高温度9度、最低温度2度
 
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             久住山、牧ノ戸越えの登山道を望む
 
農園は、一年に一回の長期休暇中。
野菜がトンネルの中で静かな眠りに付いているこの時季にしか、休みは取れない。
その間でも、レストランの出荷には休みはない。レストランのお客様達がうちの野菜を待ってくれており、がっかりとさせる訳にはいかない。
 
すでに随分と長いこと、この野菜をレストランに届けてきたが、今までも30数軒の
飲食店との取引を行ってきた。現在出荷を止めずに残ってきているのは10軒程度
多くの飲食店は何らかの理由で取引を辞めた。
その最大の要因は、飲食店の料理人及びオーナー達が野菜を只の飾りとしか考えていないか、あるいは、野菜の癖(味香り・灰汁)を嫌って料理人の作った味に変えようとする。そのため、みてくれの良さや均一な大きさを求めており、不揃いな野菜
は調理が難しく排除しようとする。これが継続できなかった最大の要因となる。
 
多くの飲食店では、(料理の師匠達も)野菜の皮を厚く剥き、削いだ野菜を水に晒して味(灰汁かな)を抜く、あるいは、煮出して煮汁を捨て、きれい?になった野菜に
料理人の得意な味付けを施し、みてくれをきれいに化粧してお客様に提供する。
これが腕の良い料理人ということになる。
 
むかし野菜は、見え形に捉われず、味香り高く、筋を感じさせないやさしい美味しさ(=栄養価の高い)に満ちた野菜を提供し続けようとする。そのため、土作りが進んでいない土地で育った味香りも薄く旨みのない野菜を常に嫌う。
 
当農園では、しばしば、取引間もない飲食店に出向くか、あるいは、料理人と激論を交わし、既存の料理人の野菜に対する価値観を、考え方を変えさせようと試みる。
時には料理提案や野菜の使い方を実地に示したり、メニューの変更を促す。
外部から見ているとまるでお客様に対して喧嘩を売っているように見えるらしい。
それでもその信念を変えようとはしない。それで残った飲食店が10軒程度となる。
 
何故なら、農園主は、飲食店の料理人やオーナーをお客様とは考えていない。
あくまでも同行者として接する。真のお客様は、そのお店に期待して訪れるお客様達だと思っているに過ぎないから・・・さらに同じプロとして誇りを持ってもらいたいと
念じているからに過ぎない。
貴重な農園の長期休暇を使って、今日も一軒、明日も一軒と飲食店を回る。
 
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冬休み最後の日曜日。
孫達を連れて(親同伴)
別府の楽天地に集う。
孫8人全員が一同に揃う。
 
写真中央は貴重な男子二人
残りは全員女子。
 
農園でも男子は肩身が狭い
 
 
 
 
 
 
 
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メリーゴーランドの
女子三人
奥は同伴の次女
 
なるほど存在感がある。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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楽天地の名物「あひる競争」
二回あひる券を買うも、残念!はずれ!
 
 
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操縦桿(?)を懸命に握っているのは次女
一番喜んだのは親かもしれない。
畑から開放されて・・・
 
残った(?)飲食店の筆頭、福岡のジョルジュマルソーは今では福岡でフレンチ筆頭
となっており、今では、九州一周列車、七つ星のチーフシェフ。そこにお休みの今日も急遽七つ星ご用達の野菜を送る。お客様達のために!
今思えば、マルソーも含めて東京坐来、北海道のオネット(イタリアン)、大分の然、
など、よく足を運び、幾度となく話し合い(喧嘩かな)をしてきたものだ。
今では皆、その地域では一番店に成長している。彼らの創意と工夫及び努力に
当農園も支えられている。と同時に誇りに思える。
 
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久しぶりに太陽が照り、幾らか暖かい日が二三日続き、ビニールトンネルを全開。
農園の全野菜と対面することになった。
皆、それぞれに問題は抱えながらも概ね頑張っている。野菜も皆うれしそう。
ついでに蔓延った雑草もうれしそうに光る。仕事始めからこの除去作業が待っている。
 
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成長過程にある野菜は
不思議と極寒にも耐える。
ところが、成熟期に入ると
(出荷直前)
凍ったり、解凍したりの
繰り返しに耐え切らなくなり
茎が凍傷にかかり、黄土色
に変色し、やがて溶けていくことになる。
 
期待していたレタス系や
キャベツがその70%が
出荷できないかもしれない
 
 
農園では、露地栽培の宿命として、自然と命の絶え間ないドラマが繰り広げられている。できるだけ多くの野菜達が生き残ってくれることを祈り、同時に、
個人消費者の方々が、多少傷んでいてもむかし野菜を愛しんで頂くことを願う。
あと数日で、農園の長期休暇は終わり、また自然との闘いが始まる。