農園日誌ー味噌作り

26.12.19(金曜日)晴れ、最高温度9度、最低温度0度
 
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                農園から見た由布・鶴見山
 
今年も残すところ、一週間となった。朝は、地面が凍てつき、収穫ができず、一時間待ちでようやく収穫開始となった。
水曜日に発送した荷物が広島当たりで立ち往生とのこと。金曜日の発送が危ぶまれていたが、佐川より何とかなりそうですとの電話が入り、待機していたスタッフが
一斉に作動開始のハプニングもあり、慌しい一日となった。それでも今週の野菜配達は一日程度は遅れることになりそう。自然には勝てない。
午後は堆肥が底を突きかけており、発送は女性陣に任せて男三人でとりあえずの堆肥作りを行う。山のようにこづまれた選定枝に溜息をつく。冬場はこの破砕作業と堆肥作りとなる。
 
これもまた、行きつけの温泉銭湯での会話。
地球温暖化と言うになぜこんなに寒いのか」「それはね」と私。「一年の平均気温は確かに上昇していってはいるが、大陸高気圧や太平洋高気圧の勢力図や日本の上を流れている偏西風などの位置が微妙に狂ってきており、時として異常な気候変動を招いているのですよ」
「野菜にとって、この一度二度の変化や寒暖の差は、野菜の生き死にに拘わる重大事ですよ。野菜だって頑張っているんだから、我慢しなくちゃね」
「お陰でこちらはその変化対応におおわらわですよ」
地球温暖化を阻止することはできないのかな?」
「資本主義と人間の欲が尽きることはない」「偉い方々ばかりに任せずに、皆が考えることでしょうね」と私。いつものおじさんたちの会話でした。
 
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急遽、英国の古レンガを
積み替え、竈を作る。
二連式となっており、工夫の跡を見て欲しい。
女性陣からは危ぶむ声と
批判の嵐。
見事に火が奥に引き込まれる苦心の作、何とか成ったのが嬉しい。どうだ!と言っても、
覚めた空気が流れる・・・
女には男のロマンが分らん。まったく、バカヤロー
・・・!
 
今回から蒸し器を使い、煮込みから蒸しへ変更きっと美味しい味噌ができるだろう。
 
今回は25キロの味噌だが、来週には50キロの味噌を一気に作る予定。
年明けの休園期間にも100余キロの味噌を仕込み、合計200キロの味噌は作りたい。無添加の手作り味噌を初めて食された方からは、絶賛の声が届いており、
皆にはっぱを掛ける。自然農の味噌作りには、あまりにも多くの手間と労力と時間がかかり、コスト的には見合わないのだが、お客様の喜ぶ声が背中を押してくれる
 
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5時間かけて蒸し終わった大豆を潰し、米麹と
丹念に混ぜ合わせ、玉にする。
これを甕に入れて、横を小川が通っている納屋
の倉庫に7ヶ月寝かせて、味噌が熟成する。
 
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スタッフ総出の一日懸かりの仕事となる。
グループの平野さんの自然農のお米と
当農園の同じく自然農の大豆と減塩の海塩を
使ったこれぞ純粋の発酵自然食品。
むかしはどこの農家も自家製味噌を作っていたが、
最近ではほとんど見慣れない風物となりつつあるのが寂しい。
 
昨日、県の出先機関、地域振興局の部長が尋ねてきた。後任の方を連れてきたようだ。いつものように草木堆肥作りとその理由などを説明するも、これもいつものように、県内の農業振興の話になる。
国の紐付き農業政策ではほとんど何も出来ないし、前向きに進める県職の人材も
育たない。彼らが帰って行ったあとはいつものように空しさが流れる。
さらに、東京からdデザイントラベル及びd47食堂のスタッフの方が農園を訪れる。
何でも日本全国の地域に埋もれた生活雑貨の販売や地域の郷土料理の紹介を
その食堂(渋谷にあるらしい)で行うとのこと。
取組の趣旨と発想や善しとして、だご汁とケンチン汁を家内に作ってもらい振舞う。
一民間でもそのような発想力と行動を行っているのに・・・地方創生の掛け声だけが空しく流れる。
 
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トンネルや織布の下で、秋冬野菜が越冬して、来春を待っている。
静の冬景色が凛々しく、ゆっくりとした時間が流れる。私はこの風景が好きだ。