農園日誌ー梨園にて

26.4.9(水曜日)晴れ、最高温度18度、最低温度6度
 
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              梨花が咲き乱れた平野農園にて
 
平野さんの梨園は今年、例年を上回る花が咲いている。
あまりに多く花がついたので、摘花作業に追われている。一枝から二三個の梨が
育つようにするためには、花を落とし、摘果するなどの作業が連日続くことになる
足元は雑草がはえて、自然の状態を維持している。年間二回程度の草刈を行い
畜糞や化学肥料は使わない。そのため土壌はふかふかの状態。
 
イメージ 2農園のみなで探しているの
は、春の七草
農薬もホルモン剤も使って
いないため、安心して食べ
られる。
早速てんぷらにして頂いた
が、むしろ生食のほうが
美味しかった。
子供達も摘んだハコベ
生で頬張っていた。
全国でも珍しい自然農の
梨。なにも奇跡のりんごだけではない。
 
先日、ジョルジュマルソー(福岡のフレンチ)の小西さんから電話が入る。
言葉の端が何となく上気したように感じられた。
その内容は・・・
 
「6.1に大分のいいちこ(焼酎メーカー)で10周年の記念フェアーを行う。ついては
野菜を持ち込んで、セミナーを開いてくれないか」
 
どうやらサービス提供のようだ。仕方がない。永年の同志なのだから・・・?
 
「それと、九州の七つ星(九州一周の観光列車で、今、ブームとなっている)の
チーフシェフとなった。そこで使う野菜は佐藤さん処のものを全面的に使う。
分厚いパプリカなどは植えているかい。頼むよ。おそらく農園にもテレビ局が取材
くるようになるよ。詳細はまた連絡する」とのこと。
 
当農園は自然とのやりとりで行う露地栽培であり、生産量は自ずから限界がある。
他から仕入れて加工したり、提供するものではなく、流通とは異なり、一は、あくま
でも一であり、増えることはない。
いくらテレビで有名になっても、内はあくまでもレストランのバックヤードに過ぎないし、日夜、恬淡として身の丈に合った農業を行うのみなのに・・
 
「それは良かったね。いつも分厚いパプリカ・ピーマン・万願寺・伏見とうがらし
などは送っているじゃないかい。がんばった甲斐があってよかったね」
 
10年前は、10坪ほどの小さなお店「ビストロ炎」を開いていたが、当農園との
出会いを契機にして、(途中色々と激しいやりとりもありましたが)お客様が増え
大きな借金をして店舗移転し、いまのジョルジュマルソーがある。
その間、こんなやりとりもあった。
 
おそらく苦しかったのだろうが、「佐藤さん早く有名になってうちを引き上げてよ!」
「何を言うか、貴方のやりたいことを手を抜かずやり続けなさい。ひたむきにやり
つづければ、自ずからお客様がついてくるよ。私も常に美味しい野菜を途切らせることなく送り続けるよ」そんなことは彼は忘れているだろうが・・
 
今では福岡でフレンチと言えば、彼の名前が出てくる。一度皆様も訪れてみては
如何ですか?ランチであれば5千円程度も出せば、そこそこの料理が出てくる。
そこで使われている野菜のおそらく6割方は当農園の野菜でしょう。
 
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春野菜と夏野菜が同居する
4番の畑。
 
昨日から今日にかけて
夏野菜の第一陣、ピーマン
パプリカの植え込みを行う
 
これからしばらくは春野菜と
夏野菜の占拠合戦が全ての
畑で繰り広がられる。
どちらの味方をして良いのか
農園主の悩みは尽きない。
 
 
 
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昨日植え込んだいんげん豆とズッキーニの畑
(2番の畑)
 
遅霜が降りてこないことを
祈るのみ。
ジャガイモは月曜日の
遅霜でせっかく芽吹いた
芽も全てやられている。
 
新人二人がしっかりとした
豆の手を作りあげている
 
 
 
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上から見た平野梨園
風景。
延々と梨の花が満開に・・
 
彼一人で全ての作業を
担っている。
我が家の新人達も少し
余裕が出来れば、手伝
えるのだろうが、当農園
も今では手一杯の状態
せめてもと、二時間程度
は梨の花の摘除作業を
手伝って帰った。
 
今年はミツバチが飛んでいない。それがやや心配。今年も美味しい梨が皆様へ
届けられればよいのだが・・・・