農園日誌ー里の春

26.4.2(水曜日)晴れ、時折曇り、最高温度18度、最低温度6度
 
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今年の春は急速にやってきた。農園は蕪も大根も水菜も一斉に花盛りとなる。
ブロッコリーまでも出荷しないのに早くも花が咲いてしまった。
もう少しゆっくりとやってきて欲しかった。
この時季はいつもそんな莟立ち野菜の出荷ラッシュがしばらく続くが、それも本の
一時のことで、越冬野菜が終われば(半分位は莟立ちで駄目になってしまった)
いつもの「野菜が無い!」の悩みが始まる。自然との暮らしはこんなもの。
人間様の都合はそっちのけの大自然の命のドラマが畑で繰り広げられる。
 
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3.28の写真(青梗菜・ほうれん草など)  3.30の写真(同じシーン)
わずか二日でこの成長の早さ。お分かりいただけたでしょうか?
 
春の野菜の成長は早い。葉野菜などは草木堆肥の場合で通常は3カ月弱だが、
春は2カ月強で出荷となる。
こうなると、春の野菜の成長力頼みになる。早く大きくなれ!
右端はほうれん草。真ん中のほうれん草に遅れること三週間で種蒔きをする。
このように同一野菜を一定間隔(間隔はその季節の成長力で異なる)で種を蒔き、
現在のほうれん草の畝数は出荷中のものも含めると5畝となる。つまり3カ月の
野菜を確保したことになる計算。
これを約10種類ほどの葉物野菜全てで行う。頭の中のコンピューター(感ビューターかな)で行う。露地野菜の季節の移り変わりをはじき出す経験がそれを教える
農業者とは自然の営みと一体にならないとできないのかもしれない。
特に当農園のように、露地野菜の周年栽培、一農園で端境期を作らず、直接販売
を業として行うには野菜の生理を知り尽くさねばできないことになる。
季節の移ろいは人智を超えたところにある。その移ろいの中で、野菜の体内時計
が反応する。これが未だに野菜作りが分らないと言い続ける所以。
 
誰も誉めてくれないので自ら文章にして見る。
大自然の中では人間なんてちっぽけな物であり、自ら物事に謙虚になり、もっと
自然体で生きられないのか、といつも自問自答する。今の政治家や官僚たちにも
野菜の、自然の深遠さに触れてみたら、と言ってやりたい。
 
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3月20日の7番の玉葱畑
仏の座などの雑草に被い尽くされ、玉葱の姿さえ
見えない。
 
 
 
 
 
 
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3月27日の7番の畑。
一週間でここまで雑草の
除去作業が進んだ。
 
 
 
 
 
 
 
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4月1日の7番の畑。
あとわずかになった雑草群
明日は全員でかかり、
雑草除去作業を完了
させるつもり。
農作業の合間をみて
除草作業を行ってきた。
わずか二三人で・・
農業とは辛抱と忍耐、
そして、ひたすら努力し
続けることと覚えたり。
 
 
これから、4月の中旬頃にかけて、夏野菜の植え込み作業が待っている。
例年、4月の初旬ころには必ず、花冷えといって遅霜が襲ってくる。
そうなると、春が来たからといって夏野菜を慌てて植え込むとほとんどが、たった
一晩の霜で全滅する。これも今までの農業の体験が教えてくれる。
そのため、4月15日を境に、トマト・茄子・ピーマン系・ズッキーニ・胡瓜・いんげん
などの夏野菜の植え込み作業などの畑作りが一斉に行われる。
その忙しさと言ったら、とんでもない稠密な作業が待っていることを新人達はまだ
知らない・・・