農園日誌ー短い秋の予感

25.9.27(金曜日)晴れ、最高温度25度、最低温度15度
 
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先日から急に涼しさが増し、木陰に入ると薄寒さを感じるほどに気温が低下し始
めた。相変わらずの少雨で、わずかな風にも土埃が舞い上がる。
育苗ハウス内の苗は、今までの暑さで早、数回蒔きなおしているが未だに満足な
苗まで成長していない。こんなことはかってなかった事。
露地の種蒔きはようやく双葉が出て、葉野菜らしくなってきてはいる。
 
今年の秋はどうやら足早に過ぎ去っていくようで、酷暑からいきなりの冬に入りか
ねない。日本は、特にここ九州は四季の邦では無くなったのかも知れない。
 
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夕暮れ時の5番の畑
今までは雑草に覆わ
れていたが、ご覧の
通りに様々な秋野菜
に覆われようとして
いる。
但、少しの雨で皆
一斉に野菜による
緑の絨毯となるの
だが・・・
これまで急ピッチで
畝作り・種蒔きを
行ってきた。
 
この処、連日、暗くなる7時過ぎまで堆肥撒き・畝作り・種蒔き・水遣りを行って
きました。どうか神様、少しは恵みの雨を降らせてください。彼らが順調に成育する
にはほんのわずかな雨と秋のやさしい日差しが欲しい。と願っていたら、
明日はこの中九州だけ雨が降らなかったのだが、孫の運動会の日(土曜日)
この中九州(大分)だけが雨マークに変わった。喜ぶべきでしょうね。?・・・
 
二日前の水曜日、突然「自然栽培の仲間達」というグループの方がお見えになった
何でも奇跡のりんごの木村さんがイメージリーダーになって関東にてグループを
立ち上げたらしい。その幹事元がソフト会社のオーナーのようで、今、九州でその
野菜を探しているとのこと。
 
うちのグループには、奇跡の梨や奇跡の露天原木椎茸生産者がおりますし、更に
当農園のむかし野菜(自然循環農法)も奇跡の野菜ですが、但、残念ながらそれ
らは皆、約170余名の個人の方々や永年取引して頂いている飲食店に出荷して
おります。とお答えしました。数時間粘られてお帰りになりました。
 
美味しい野菜作りの難しさもご存じないソフト会社のオーナーまでもが、本物の
野菜(?)をグループ化して市場に販売しようとしているのに、現業の農人達が
その試みをしないでどうするのか、という思いは強いが、その組織化やグループ化
が難しいのも現実ではある。
 
特に最近の何でも有機の時代に消費者に本物をどのようにして伝えるのか、どの
ようにして理解してもらうのか、これもまた限りなく難しい。
当農園の試み(露地栽培を基本とする自然循環農法の開発・啓発・啓蒙・普及活動)は、ここにきて、化学肥料や農薬を駆使した慣行野菜が対局にあるのではなく、
逆に様々な有機野菜が対局になってきたように思えてならない。
 
こんな消費者との会話がよくあります。
 
ハウス栽培が全盛の時代、旬菜が変わってきているため、「何故、夏場なのに
小松菜やレタスが佐藤さんところには無いのですか」とか、
 
「デパートで売っている有機野菜はきれいで形も揃っているのに、何故佐藤さんの
野菜は、傷跡が多く、形が悪く揃っていないのですか」とか、
 
一昔前の有機栽培の先人達は、村八分に合いながら、奇妙な不揃いな傷物野菜
をその価値観に共鳴している限られた消費者に細々と買ってもらいながら、自らの
矜持を高く持ち続けて苦労して生産活動を続けてきていた。
それが現在は、有機野菜そのものがあまりにもポピュラー、と言うか、有機JASさえ
取得したら何でも有機野菜になる。あるいは、自ら有機野菜と称してその生産方法
も開示せず、流通市場に流している。
消費者も有機野菜がきれいなイメージを持ち、味や香り・食感・旨さも感じない野菜
でも有機野菜と信じて買っている人も以前よりは格段に増えてきている。
 
真の有機野菜を苦労して作ってこられた先人達がこの姿を見たらどう思うだろうか
喜んでくれるだろうか、と考えてしまう。(ほとんどの先人達は亡くなられているが)
 
今日は少し口が過ぎたようで、多くの真の有機野菜生産者のおられることは一言
お伝えしておきたい。
但、その矜持を持ち続けて美味しい野菜を生産している有機野菜生産者に多くの
消費者が行き着くことを願わざるを得ない。
さらに、このような風潮を多くの消費者が見つめて、考えて、勉強して欲しいと願う。
 
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水遣りを続けたお陰
で何とかかっこうが
付いた二番の畑の
野菜達。
茄子・セロリ・人参
インゲン豆・芽キャベツ
筍芋・胡瓜などなど、
 
このうち、インゲン豆や
胡瓜は育つかどうが
妖しくなってきた。
 
雨が欲しい!