2020.6.3(水曜日)曇り、最高温度26度、最低温度17度
草木堆肥を作っている処
春野菜から夏野菜への転換期は、草木堆肥を二週間に一回のペース
で作り続けねばならない。自然循環農業では、この草木堆肥を切ら
すことは、生産が出来ないのと同じことである。
葉っぱや破砕木屑に生息している微生物や放線菌と同じ目線で、
ものを考える習性が付いており、絶えず気にして、彼らに語りかけ
ている。頑張れ!と・・・菌が増殖する際は、70度ほどに堆肥の
温度が上昇する。
2020.6.1 コロナウィルスにより人の価値観は変わる?
2011年福島で起きた原発事故、所謂原発ショックを契機にして、
農産物汚染が問題となり健全な食への関心が急速に高まり、当時、
120名前後であった定期購入のお客様は一年間で全国に拡がり、
230名に急増した。
その後、農園のテレ朝放映などで一時的に500名ほどに膨らん
できたこともあったが、すぐに熱が冷める方も多く、300名
ほどのお客様に落ち着いていた。
それが宅配料金の大幅なアップによって、ついに、200名を
割り込んでいった。
そんな中、今回はコロナショックによって、定期購入のお客様は
元の人数であった230名へ戻りつつある。
梅雨が来るというので、大急ぎであちこちの畑に点在している玉葱を引いている。
今年は極早生は頗る好調であったが、早生は、球になりきれていないものも多く
、所謂、男玉葱(中に硬い膜ができる)が多く、ものにはならなかった。
農業は一か八かの掛けでもある。
その時代のトレンドの変化によって人の価値観は変化してくる。
元々人の心に不変なものがある訳では無いが、昨今の安・近・短
な世相はコロナウィルスによって無関心・自己本位の価値観は
大きくに揺さぶられ始めている。
宅配料金の大幅なアップとなっても、尚、120~130名ほど
の方は、10年以上取り続け、むかし野菜はそれらの方々に慈し
んで頂いている。
時代のトレンドが変化しても、その方々の価値観は変わらない。
畑は草木堆肥を施肥し続けて行くにつれ、土壌は微生物・菌が畑
を耕してくれるため、さらに進化を続け、未来へと持続可能な
農業と言える。
その自然循環の思想と農法は今後も不変であり、お客様に健全な
野菜を届け続け、皆様の健康を守っているとの自負心は、スタッ
フ一同、強く持ち続けている。
収穫し終えた玉葱は、いきなり保冷庫に入れておくと腐ってしまう。
そのため、麻紐で括って軒先に吊しておく。紐掛け作業です。
例年玉葱はほとんど儲けにならない。リスクと手間の塊である。
それでも昨年も数万個の玉葱を植えた。ご家庭の必需品であり、定期購入の
仲間達のために切らすわけには行かない。
コロナの影響で学校が閉鎖となり、うちの孫達は連日畑で過ごし
ていた。
自然野菜を食べ、菌のはびこった畑で遊び回るこの子達は至って
健康である。
元来人も微生物の進化形であり、微生物や放線菌の棲まう自然
循環の浄化の仕組みの中では、悪性耐性菌が特にはびこること
も無く、健康で居られる。除菌・除菌と言って、菌を悪者扱い
してはいけない。
もしも、菌類がこの世に無かったら、木・草・動物などの死骸
だらけになっている。
菌類の繁殖の仕組みによって分解して自然環境を浄化してくれ
ている。
人間の体の内も外も菌類で覆われているからこそ健康で居られ
るのです。
ウィルスに勝とうと思うのは、無理である。それならいっそ共生
あるいは、共存していく仕組みを作っていかねばならない。
日本人が、コロナウィルスに強いのは、様々に言われてはいるが
、若しかして、日本のむかしの食生活文化が残っているせいかも
しれない。
味噌・醤油・漬物などには、乳酸菌を始め、様々な菌が棲んで
いる。
無菌状態に置こうとしている滅菌・殺菌などの食文化のほうが
むしろ違和感を感じる。
当農園は、醤油こそ作ってはいないが、そのむかしの日本人の
伝統的な方法で作り続けている。
トマトの初期設定(形を整えるための初期的な剪定誘引作業)を終えて
次は茄子の初期設定作業へと移る。すでに実を付け始めておりこのまま行くと、
倒れてしまう。7種類の茄子を14列植えている。
トマトと茄子は農園主の仕事。他の男性スタッフはピーマン系を受け持っている。
原発ショックの際のお客様の急増とは異なり、今回のお客様の
漸増は、少し趣が異なっているのかもしれません。
人は本能的に命の危険を感じると、自己防御の行動を取ろうと
します。
農園の自然栽培や自然循環農法や草木堆肥と言った「むかし」
と言うキーワードに、反応し、何かは分からないが、
「何か良さそう」と感じておられるのかもしれません。
「楽をする」「とりあえず」「今が良ければ」「自分さえ良け
れば」などの自己本位な価値観から、「頑張って見るか」
「家族を大切に」「他の人の心も」「おもいやり」などの利他
主義的な価値観を共有していこうと考えてくれれば良いのだが
と思わずには居られない。
世界は資本主義社会の矛盾、あるいは、大企業によるグローバ
リズムに至り、貧富の差が広がり、いつしか階級制のような
差別社会が進行し始めていると言った閉塞感の中で、人々の多く
は怒りや不安に満ちている。
国家の指導体制も民主主義とは最早呼べない独裁・特権・権力
構造に変化しようとしている。
これは多くの国民が政治に無関心を装い、時の政権にお任せに
した結果では無いかとも思う。
今回のコロナウィルスによるパンデミックは、自然界からの警鐘
と言えるのかもしれません。
草・葉っぱ・木屑・牛糞を三層に重ね、トラクターで混ぜ込み、
タイヤショベルで積み上げる。
この時季、約1ケ月ほどの発酵期間で畑に施肥する。