農園日誌Ⅲーむかし野菜の四季ー日本の農業の原点

2019.9.25(晴れ)最高温度30度、最低温度17度

 

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            稲穂染む曼珠沙華咲く里の秋

去年は実り多く随分と楽をさせてもらったが、今年の秋は何となく不安が頭をよぎる。

毎年のことだが、年々ひどくなってくる害虫の発生と気候の不安定化が定着しているような気がする。

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               きれいに発芽した人参

隣は、第一陣の白菜の畝、さらにセロリの幼苗。今の処、順調に育ってくれている。

 

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APU・九州大学・関西の大学などの混成チームで「農業の未来を考える」と言うサマーキャンプが開かれ、当農園に学生たちが見学に訪れた。

東アジアや日本の大学生が混じっているため、同時通訳でセミナーを開いた。

久しぶりに大学生たちと接したが、皆、高慢で、畏れを知らず、幼く、そしてかわいい。私も若い頃はそうであったのだろう。

それでも、今時の学生気質が垣間見えて、うちの若いスタッフ達の気質が学べたような気がしている。

唯、一つ言えることは、訪れた若い学生に比べて、うちのスタッフ達は随分と大人に見えてきた。現実社会が見えてきて、それなりに迷い悩み苦しんでいるのだろう。

 

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台風17号により、折角ゆったりと伸びあがってきていた九条葱を吹き倒してしまった

この畝は畝揚げによりその手直しを終わったばかり。

 

(日本の農業の原点)―2
有機農業の研修会・説明会が県及び有機農業研究会によって催された。
私もその会に名目上所属していたため、誘われ、参加した。
その会に招かれていたある学者が、最後の方で、有機農業に対してこう切り出した。
有機農業も窒素過多になり易く、かつ、土壌が汚染され、慣行農業より、必ずしも安全とは言えない」
その際参加していた数人の有機農業者(有機JAS認定農場)が猛反論していた。
その内の一人が私の方をちらちら見て、「何故佐藤さんは反論しないのか」と言う目で睨んできた。

仕方なく、私もその議論に加わらざるを得なくなり、こう切り出した。


「貴方が言われていることは、こう言うことですか?」と前提条件を出して反論した。
「現在の有機野菜は、畜糞主体になっており、さらには、米糠油粕などの高窒素栽培となっている」
「そうであれば、逆に適正な化学肥料を使った慣行農業の方が、窒素過多に成り難く、つまりは、硝酸態窒素過多の土壌に成り難い」
「それでも、有機農家の方は、危険な農薬を極力避けてより安全な野菜を生産しようとしており、その努力と労力を貴方は知らない。机上の空論では有機農家の方が怒るのもやむを得ないでしょうね」

「貴方の言われることも一理はあります。配合飼料で育てられた家畜の糞には、抗生物質及び薬が多く含まれており、その畜糞を大量に投下され続けた土壌は、微生物や放線菌も棲めなくなっており、次第に汚染されて行き塩基濃度も高くなっていきます。それを私は、有機肥料の化学肥料化と称しております。
その救済策は、畜糞だけの肥料ではなく、微生物や放線菌の餌となる自然の草や葉っぱなどを加えたより低窒素の堆肥を施肥することによって、より低窒素土壌を育てることでしょう」

この最後の私の発言によって、学者も有機農家の方々も黙らざるを得なくなってしまい、この会の雰囲気を著しく壊してしまった。
有機JAS規程が制定された以降は、有機農業とは言っても、以前の持続可能な農業であった自然循環農業には戻れなくなってしまっているのかと痛切に感じた一幕でした。

それでも消費者はそんな議論は知らない。勝手に有機JAS規程を定めた国も有機農業がそれほど深刻になっていることも知らない。有機農業者は様々な壁にぶち当たり、理想と現実の狭間で、もがいている。


欧州のオーガニック農業は、国が監視していると言うよりも、そこに直接訪れる消費者(市民)自体がその圃場の有り様を見ている。つまりは、欧州の有機農業は市民参加型で行われており、日本のように、法令と実態が乖離している有機農業では無い。
当農園での自然栽培は、市民参加型を目指しており、害虫被害の実態や土作りの実情を見てもらうようにしており、なおかつ、健全で美味しい農産物作りのセミナーや料理体験会を定期開催して啓発・啓蒙活動を行っている。
消費者も有機農業の実態を、如何に手間を掛けた農産物作りを行っているかを、知ってもらい、その労苦に対する代償=購買への評価をしてもらいたいと願っている。

 

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7番の圃場。蕪系の種を蒔いて3週間後。害虫が次第に葉っぱを食い荒らし始めている

 

農園日誌Ⅲー「むかし野菜の四季」ー日本の農業の原点ーⅠ

2019.9.18(水曜日)晴れ、最高温度31度、最低温度24度

 

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              小麦を使ったおやつ作り

今年9月29日(日曜日)オープンする農園マルシェのため、現在、様々な商品開発

を行っている。この写真はほぼ完成に近いパウンドケーキです。

自然栽培による九州産の筑後イズミと言う品種の小麦と日本原産の古代麦(弥富麦)

の全粒粉のブレンド小麦粉がその原料です。

穀類の自然栽培と簡単に言うが、これが実に難しく、本来、窒素を欲しがる麦の栽培を

草木堆肥と言う低窒素栽培で行うため、土作りに約5年を要した。

さらには、農薬はおろか除草剤も使えないため、労力とリスクの塊となった。

 

これは、ハイグルテン仕様の麦が使われたパンや麦を原料としたおやつは、一度、アレルギーが発症するともう食べられない。多くの消費者の声に背中を押され、それならと

ノン化学物質栽培で育てた九州原産の小麦と、日本原産の古代小麦を加えたブレンド

を作ろうではないかとチャレンジし始めた訳です。

 

危険性が問われているベーキングパウダーも使わず、しかも、もさもさした食感になりがちな全粒粉麦(中力粉と古代麦)で麦の味香りを残しながら、もちっとした美味しさ

を表現しようと試行錯誤を繰り返し、おそらくは、全国何処にも無いケーキが完成した

現在、パンなども始め、数種のおやつ作りを試作中です。

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「むかし野菜の四季」

(日本の農業の原点)
日本には四季があり、国土の中央に山があり、山間から流れる大小の河川がある。河川は扇状地を作り、やがて平野へと繋がる。
豊かな自然があり、河川には、落ち葉が堆積した腐葉土からミネラルを含んだ栄養価に富んだ水が流れ、
豊かな土壌を形成している。その豊富な水により、日本では稲作が発達していった。
そのため、水田には肥料分を入れる必要が無く、古来から自然循環型の農業が営まれていた。
水を取り入れることが難しい土地は、野菜や麦類・雑穀が植えられる畑作が行われてきた。
そんなに広くも無い畑作用地には、入会地から柴を刈り取り、草と混ぜて、わずかな人糞を発酵促進剤として加え、一年も掛けて草木堆肥を作ってきた。
その草木堆肥によってミネラル不足と窒素不足を補ってきた。これが日本の有機農業の原点であった。

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戦後、西欧から硫安(化成肥料)が導入され、化学肥料と農薬のセットによる近代農業によって、日本の農業は一変していった。
ミネラル分豊かな低窒素栽培から、高窒素栽培への転換は、農業生産量の大幅な増大ができると国を挙げて、大規模化・機械化が進められていった。その当初こそ、確かにお米の増産には成功していたが、次第に土は痩せていき、反当当たりの生産量は、戦前よりも減産に陥っていった。
それは同じく導入された近代農業によって他のアジア諸国も同じです。
大量に投下され続ける化成肥料と農薬によって、次第に農地は汚染されていき、食味や栄養価は落ち、当然に農産物はかっての輝きを失っていった。
日本の農産物は安全であると言った神話は今では過去の物語になっている。
加えて、日本の農業者は、機械化と化学肥料・農薬(除草剤含む)によって、楽な農業を覚え、有機農業の発祥の日本の伝統的な農業である自然循環農業のDNAも消えてしまっている。

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問題なのはここからである。
近代農業による安全性への危惧から、有機農業と言う概念が生まれてきた。その元となった農業こそ、
日本の古来からの農業であった草木堆肥及びそれに近い有機物を使った農業であった。
処が、今から10数年前、日本政府によって、消費者保護という名目で、有機JAS規程が生まれた。
この法令によって、折角復活し掛かっていた日本の有機農業は急速に頓挫した。
何故なら、法令施行以前の有機農業者達の野菜は有機野菜と呼んではいけなくなったからです。
そのため、古来から延々と受け継がれてきた自然循環農業(本来の有機農業)の歴史はここで途絶えた。
今では、特に欧州が使っているオーガニックと言う「称号」は日本の有機JAS野菜には適用されない。
何故なら、信用性がきわめて薄いと判断されているからです。

当農園が「むかし野菜」と名付けたのは、その理由からでした。

農園日誌Ⅲ

2019.9.11(水曜日)曇り、最高温度33度、最低温度26度

 

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                ニラの花咲く

 

 長雨は終わりつつあるが、相変わらず蒸し暑く厳しい残暑が続いている。

スタッフ達も相当に参っている。この清楚な白い花を愛でる余裕も無いようだ。

農園主も流石に歳には勝てず、気力も奪われつつある。

 

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盆明け頃、種蒔きを強行したのが功を奏したか、葉物野菜達の薄緑色の若葉が、眩しく映るほど元気に育っている。

今年の秋はいつもの秋とはどこか違う予感がしている。日頃旺盛に繁殖してくる害虫の姿が見えない。今からか?油断は出来ない。

 

「健全な食を目指して、農業を未来へと繋ぐ」
                                 
農業は、国民の食糧を生み出す産業です。
その農業の担い手がいなくなると、国内での食糧の確保ができなくなる。それは世界的な天候異変による食糧危機や自国主義が進んだ後の経済戦争の道具にされることに繋がります。
欧州各国では、農業特に露地栽培農家に対して手厚い保護政策を行っている。国土保全・食糧確保は国力維持に繋がることを知っているからです。(施設栽培には補助金は出ません)
農産物国内生産確保に、関心を寄せない日本の政治・社会を消費者の皆様は如何お考えでしょうか?

農業を17年やってきました。そこで感じたことは、如何に農産品が安いかと言うことです。
サラリーマンも経験してきただけに、労働対価として割に合わず、「農業は苦労するだけで生計が立たない」
親が農業をしてきた子供さん(跡取り)ほど、農業を嫌って出て行きます。その親も子供には農業をさせようとはしない。結果として、地域には、田舎には、人が居なくなっているのです。
長い時間を掛けて、農産物は流通に支配されてきた。それは低価格ということだけでは無いのです。「見栄え・形・規格サイズ」が揃わないと、流通では価値がありません。
高回転の効く見栄えの良い施設栽培野菜、化学肥料と農薬で生産される規格野菜、土作りに三年以上の時間を掛けて生産された自然野菜、いずれも流通では同じ野菜なのです。従って、それは消費者にとっても同じです。
品質や安全性は、評価されない。つまりは、生産者の思いや努力は評価されるべき対象では無いのです。
今ではほとんどの農家に、品質に掛ける農家の思い、希望、そして誇りは、すでに無くなっております。
地域を支えてきた農業は、国から見捨てられつつあります。少なくとも国民の関心の外に置かれております。

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         OBSのアナウンサーと待機中の一コマ

9月7日、全国民間放送協会によって、開催されたトークセッションの大会

テーマは「農業の力を地域のチカラへ」

イベントそして開かれた会であったため、気乗りしないままパネリストとして参加しましたが、当日の夜、佐藤放送部長さんからメールが届いた。

「全理事達が佐藤さんを絶賛していましたよ」と・・・「救われました」とのメールに

こちらこそ!とお返しした。

この放映は9.23,14:55分頃、OBSにてなされます。

 

 

私は、どうしたら地域の生活を支えてきた農業を未来へ残せるのか?考え続けてきました。
良質な野菜を消費者へ直販することから始めた。生産方法を開示し「安全性」「圧倒的な品質の差」・「美味しい野菜」を示すことが必要でした。ほぼ美味しいでは、消費者は評価してくれません。
また、定期的に購入して頂ける消費者にいつも同じ野菜では、飽きられてしまいます。そのためには、季節毎に、30種類以上の野菜を栽培するノウハウを身につけることでした。露地栽培には必ず訪れる端境期でも野菜を切らさない工夫をし、「年間百種類以上の野菜」を作り続けることになりました。
さらに考えたことは、野菜だけで良いのか?と言うことでした。アレルギー・アトピーなどの現代病が多発してきており、「生きるための糧とは穀類である」と言う思いに至りました。「草木堆肥のみ施肥し、穀類生産には欠かせない除草剤を排し、健全な土を育てることに3~5年を要し、味香りがあり、穀類の旨みが感じられる」
これを目標にして栽培実践を繰り返し、数年後に出来た麦を食した時に、農園主は驚きました。
今まで感じたことの無い味や香りが、そして、美味しさがそこにありました。
この穀類の素朴な美味しさを粉にして、加工品の商品開発にスタッフ達と取組始めました。野菜饅頭・団子・石垣餅・パン・ピザ・パウンドケーキ・クッキー、そして全て原料をグループ内で調達したコロッケ等々でした。
アレルギー・アトピー・癌などに苦しむ消費者にやさしい農産物及加工品に取り組んでおります。

化学物質を極力排した健全な農産物作りは、手間と労力と、生産リスクに満ちております。
それでも、自然循環農業によって産出された農産物及びその加工品は、人々や、未来を担う子供達の健康を守ってくれる。
農園主はその自負心を持った新たな農業者が育ち、地域が再生されていくことを願っております。

 

9月29日、むかし野菜の邑にて、農園直売所を本格的にオープンします。

現在、その準備に大忙しです。

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       幻の金時生姜、その艶やかな色が、一際、光を放っている

 

 

農園日誌Ⅱー「活きること」最終章

2019.9.4(水曜日)曇り、最高温度30度、最低温度23度

 

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           甲州とうもろこしを軒先に陰干し

 

 今年もわずかしか採れなかったとうもろこし。

除草剤・土中消毒・浸透性農薬を使えば、量が確保できるのだが、それでは意味が無く、あくまでも自然栽培にこだわるため、例年、収量は通常栽培に1/5以下となる。

これは、小麦・古代もち麦・大豆粉などとブレンドし、自然栽培だけの粉作りを行うために生産しているためです。

農園では、9月末頃から毎日曜日午前、野菜だけでは無く、自然栽培のお米・ブレンド粉・麦ご飯セット・麦茶などの穀類、その粉を使ったパン・ピザ・野菜饅頭・焼き菓子・コロッケなどの直売所を開催しようとしており、現在、その商品開発中です。

同時に販売に際しては、ブレンド粉を使ったやせうま・クレープ・団子汁・石垣餅などのレシピを添えて皆様にご紹介していきます。

 

 

「活きること」最終章ーこの国の行方

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2019年9月  この国の行き着く先は?
日本という国は資源を持たない。そのため、資源を輸入しそれを加工して外国へ商品輸出し外貨を稼ぐ。それらの加工産業やそれに関連した産業によって、多くの国民の生活が成り立っている。
そのため、常に日本を取り巻く国々と仲良くして行かねばならない。武力行使を行う事を放棄し、ひたすら自国防衛に徹しなければならない。経済戦争を仕掛けることも出来ない。そこに独立国家としての日本経済や政治外交の難しさがある。

但、この時代、世界が民族主義自国主義の闘いが始まると、加工貿易による産業だけで、グローバルな大企業を中心とした産業だけで日本経済が支えられるのか、それらの大企業が豊かな日本の経済を雇用を消費を担ってくれるのかと言った疑問が湧いてくる。
今まで、長い時間を掛けて日本という国は、殖産興業に邁進し、世界NO3の経済力も身につけてきた。そのため、世の中の、あるいは、政治・経済・社会の関心は、全て中央に向けられてきた。
その行程の中で、地域は次第に見捨てられてきた。地域の産業は、極論すれば、農林水産業しか無い。
今、その地域産業に大きな危機が訪れている。担い手がいなくなっている。それは特異な技術や優れたノウハウを蓄積してきたを職人・地場産業もまた、同じこと。

日本のGDPのうち、貿易に占める割合は30~40%と言われており、国内循環しているGDPは60~70%もある。その産業に従事している人達は生産者であるだけでは無く、消費者でもあるわけで、国内消費を支えている。
「国力の物差し」は、何も殖産興業・加工貿易、ひいては、大企業だけにあるわけではないのです。

特に農業は、国民の食糧を生み出す産業です。
その農業の担い手がいなくなることは、国内での食糧の確保ができなくなると言うことです。それは世界的な天候異変による食糧危機や自国主義が進んだ後の経済戦争の道具にされることに繋がります。
これは余り知らされていないことですが、欧州各国では、農業特に露地栽培農家に対して手厚い保護政策を行っております。国土保全・食糧確保は国力維持に繋がることを知っているからです。(施設栽培には補助金は出ません)
先進各国が農業維持を重たいテーマと捉えていることに、関心を示そうとしない日本の政治家のみならず、日本の消費者も、実は、大きな問題なのです。

 

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農業を17年やってきました。そこで感じたことは、如何に農産品が安いかと言うことです。
サラリーマンも経験してきただけに、労働対価として、割に合わないのです。
これが農業を嫌う農業後継者の実態です。親が農業をしてきた子供さん(跡取り)ほど、農業を嫌って出て行きます。その親も子供には生計も成り立たない農業をさせようとはしない。結果として、地域には、田舎には、人が居なくなっているのです。

「農業では苦労するだけで生計が立たない」これが真の事情です。
長い時間を掛けて、農産物流通(販売)は流通に支配されてきた。それは低価格ということだけでは無いのです。流通し易い形こそ、「規格野菜」なのであり、「見栄え・形・規格サイズ」が揃わないと、流通では価値がありません。
年間高回転の効く施設栽培野菜、化学肥料と農薬で生産される野菜、土作りに三年もの時間を掛けて生産された有機野菜、いずれも流通には同じ野菜なのです。そして、それは消費者にとっても同じです。
品質や安全性は、評価されない。つまりは、生産者の思いや努力は評価されるべき対象では無いのです。
高品質農産物を生産すると言う農家の誇りは、すでに無くなっており、誇りを持てない農業に何の希望も持てないからなのです。これでは、後継者が農業を嫌うのは当たり前です。
地域は、農業は、国からも、メディアからも、そして、国民からも見捨てられつつあります。少なくとも国民の関心の外に置かれております。

 

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私はそこで、どうしたら地域の生活を支えてきた農業を未来へ残せるのか?考えてきました。
その一つの試みが、農業者が良質な野菜を作ろうとすることが消費者へ伝わるには、「消費者との直接対話方式」、つまりは直販方式を採用することでした。
消費者への直販を行うには、「圧倒的な品質の差」・「美味しい野菜」を示すことが必要でした。ほぼ美味しいでは、消費者は評価してくれません。
また、定期的に購入して頂ける消費者にいつも同じ野菜では、飽きられてしまいます。そのためには、季節毎に、30種類以上の野菜を栽培するノウハウを身につけることでした。露地栽培には必ず訪れる端境期も野菜を切らさない工夫をし、「年間百種類以上の野菜」を作り続けることになりました。
さらに考えたことは、野菜だけで良いのか?と言う疑問でした。「生きるための糧とは穀類である」と言う思いに至りました。
「草木堆肥のみ施肥し、穀類生産には欠かせない除草剤を排し、健全な土を育てることに3~5年を要し、味香りがあり、穀類の旨みが感じられる」
これを目標にして栽培実践を繰り返し、数年後に出来た麦を食した時に、農園主は驚きました。
今まで感じたことの無い味や香りが、そして、美味しさがそこにありました。
この穀類の素朴な美味しさを粉にして、加工品の商品開発にスタッフ達と取組始めました。
野菜饅頭・団子・石垣餅・パン・ピザ・パウンドケーキ・クッキー、そして全て原料をグループ内で調達したコロッケ等々でした。
アレルギー・アトピー・癌などに苦しむ消費者にやさしい農産物及加工品に取り組んでおります。

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彼は、当農園にて研修し、卒業し、独立農園主となる一人です。

6人の中で、一番若くて最近研修生となったばかりの子です。彼らの未来を導いて行き

やがて、彼らの足で立つ日が来ることを祈っております。

それも皆様の持続したご支援があってこそです。

 

化学物質を極力排した健全な農産物作りは、手間と労力と、生産リスクに満ちております。それでも、自然循環農業によって産出された農産物及びその加工品は、人々や、未来を担う子供達の健康を守ってくれる。
その自負心を持った新たな農業者が育ち、地域が再生されていくと言う志を持ち続ける邑が生まれる。

この壮大な実験はこれからも若いスタッフ達に受け継がれていき、未来へ繋がってくれることを祈り、
地域の農業が量から質の農業へ転換を果たし、それを消費者が理解し、支持していただけることを願って「活きること」と言う重たいテーマに取り組んできた農園日誌Ⅱは終わりたいと思います。

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ご愛読頂きありがとうございました。

皆様が、ご健康で常に幸あれと願います。

 

                               農園主より、

 

農園日誌Ⅱー「活きること」PART31

2019.8.28(水曜日)雨後曇り、最高温度30度、最低温度24度

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                     黒大豆の花

ちなみに白大豆の花は白、黒大豆の花は薄紫色となる。

イメージ 2
黒大豆の畝

もう何年になっただろうか?
枝豆を作ろうと、最初は白大豆の枝豆を
育てていたが、若しかして、黒大豆の枝豆
の方が美味しいのでは?と思い立って、
やり始めた。
今では初秋の味覚の
一番手となるほどの
人気がある。

処が、これがまた難しい。種蒔きからして発芽状況が著しく悪い。
そこで行ったのが、予備のポット蒔きを並行して行うようになってからは、何とか
畝に空きが無く、育つようになってきた。
次に課題となったのが、例年7月10日~20日頃種蒔きを行うが、実が入る年と入らない年が交互にやってくる。
堆肥の量が多いと葉ばかり茂り、一向に実が育たない。畑によってやや異なるが、
通常の堆肥量の半分から1/3程度が丁度良いことが分かる。但し、焼き灰などは多目に施肥する。
これで栽培方法が分かったとしても、やはり、出来不出来に大きく差が出てくる。
つまりは、近年の気候変動が大きく影響しているということになる。
そうなると、最早、農業者の勘しかなくなる。
と言うことで、今年はどうやら当たり年のようだ。葉の茂り具合からみて、なんとかなりそうだと、ほっとしている。


{活きること」PART31

2019年8月  先行きの見えない社会経済に冷え込む消費マインド
 
大企業は販路を求めて世界進出を加速し、グローバル経済化が進み、国内では、社会構造が階層社会から富める者と貧しき者に分かれる階級社会へと変化しており、各国の国民・大衆のフラストレーションや不満が高まり始めている。
その不満を抑えるために、自由貿易を標榜しながらも政治は自国主義に偏り始めている。
各国の利害と民族主義の台頭、それに加えて国内の貧富の差の拡大により、国同士、国民同士の利害対立起こり始める。
冨を求めるのが当たり前の資本主義経済原理では当たり前のことではあるが、明らかに社会経済構造は不透明さを増し、政治への不信感、諦め、そして無関心が国民の間に拡がり始めている。
 
経済の陰りや政治への失望感が見え始め、先行き不透明な世相になって、各家庭では節約に走り始めている。日本では平和が長く続き、贅沢に慣れており、生活レベルを落とすことは難しくなってきている。
そんな中、先ず起きてくる現象は、生活レベルは維持しながらも食の支出を落とすことから始める。
わずか8年前の原発ショックの際には、一時的に食の安全に対する関心が高まり、少しでも健全な食を求めて動き始めた。
処が、その関心も薄らぎ、経済の先行きの不安が見え始めると、少しプレミュアムな健全な農産物へのニーズは急速に落ち込んでいる。明らかに消費マインドの冷え込みである。
消費者の多くは少しでも安い野菜を買い求めようとする。
如何に安全で栄養価があり、美味しくとも、そんな消費者にとっては、野菜は野菜でしかない。
となれば、健全で品質の高い農産物生産販売だけでは、それに共感してくれる消費者の数は減り続けることになる。今回の宅配料金の一斉値上げは、偶々、一つのきっかけに過ぎないのかもしれない。

イメージ 3

今年諦めかけていた茄子が努力の結果、何とか復活し始めている。
剪定作業を終えた茄子の畝の風景。

イメージ 4
葉が茂り過ぎると、太陽が当たらず、
風通しが悪くなり、ミツバチによる受粉
もし難くなる。

そこで小まめに
剪定・誘引作業を
行い続けることになる。
これがまた大変な
作業。根気と繊細さが要求される。


AIを駆使した農業経験も農業ノウハウが乏しくともできるであろう施設栽培
とは異なり、露地栽培・自然循環農業は、少なくとも10年以上の経験が
必要となり、そこで培われた技術と勘の世界である。
如何に、安全で、栄養価に富んだ、美味しい野菜を育てるか?に命を掛けて取り組む姿は、やはり美しいと思うのだが・・・・!


かと言って、自然循環農業、安全かつ品質の高い農産物生産のコンセプトを変えていこうとも思わない。
癌・アトピー・アレルギーなどの現代病に苦しんでいる方もおられる。
家族の健康を考えて食べるものに注意し、わざわざむかし野菜を取り続けてくれるお客様もおられる。
そんな方々からの様々なメッセージが送られてくる。
「いつも送られてくる箱を開けるのを楽しみにしている」「風邪を引かなくなった。虚弱体質が治った」「不妊症治療が辛かったです。むかし野菜のお陰で子供を授かりました」
「台風被害は無かったですか?畑は無事でしたか?無理しないでください。野菜はいつまでも待っています」「冷蔵庫が空です。むかし野菜で毎日が回っております」
「頑張ってください。この農業を残してください」などなどの励ましのお便りによって、私達は支えられている。
 
ここは、踏ん張り時です。一時、シャットアウトされていたホームページも
何とか回復してきた。
それに伴って、少しですが、お客様のお問い合わせのメールも届くように
なってきた。
若手スタッフの自立に腐心しなければならない。販売チャネル(販売方法や
販売先)を増やしていく工夫や努力もしなければならない。むかし野菜の
取組をより多くの消費者に知ってもらわねばならない。
体調は思わしくは無いが、自分で始めた事だ。最後まで活ききろうとしている。

イメージ 5

降り続く夏の長雨の中、出荷作業が終わった若い二人のスタッフにビーツの種蒔きを強行させた。
この二人は未だ20代前半。この後、長い農業者としての歴史が待っている
それだけに、責任の重さが農園主の方に乗し掛かる。
そして、むかし野菜の邑の将来は、かれらの未来は、如何に消費マインドが冷え込もうとも、全て全国の消費者の思いの強さに掛かっている。


農園日誌Ⅱー「活きること」PART30

2019.8.22(木曜日)晴れ後曇り、最高温度35度、最低温度27度

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      「有機野菜とは何?」「新たな市場を求めて」講習会開催

2019.8.21(水)佐伯文化会館にて、有機農産物の商品化、有機の里作りなどについての講習会を開催。
農園主を招聘したのは、「佐伯認定農業者の会」でしたが、そのバックには佐伯市
付いておりました。

佐伯市は、南郡6カ町村が合併し、養殖・水産加工の漁村と露天原木椎茸栽培などを行っている広域の山間地域から成り立っており、観光も、農業・漁業(水産加工)も振るわず、次なる地域経営資源を模索している。
日本中どこにでも見られる過疎が進行している典型的な地域である。

佐伯市長が宮崎の綾町のような有機の里にしたいとの思いから、今回の講習会がスタートしたようだ。
60名あまりの方々がお集まりいただいたが、農業者の方の多くは、これもまた、
唯我独尊、わが道を行くことが多い。
どうしても纏まりが無く、このままでは掛け声だけに終わってしまう。
講演の当初は、その気風が会場を覆い、どこか「聞いといて遣ろう」の雰囲気から始まった。
有機JASの話から始まり、高窒素栽培の問題点、抗生物質や薬品の多く含まれている配合飼料で肥育されている家畜の糞による土壌汚染へと進み、佳境の草木堆肥による低窒素栽培及び完熟野菜の話まで進んだ頃、ようやく、皆さんは聞く姿勢に変わって来始めた。
なにしろ、与えられた時間はわずか1時間半。これでは、障りの話で終わってしまう。

次に、話題を一気に変えて、農業経営に不可欠なマーケティングの方向へ舵を切る
みんなには見慣れないマーケティングマップ(消費者層の細分化)の説明に移ると
流石に興味が湧いてきたのか、全員が集中し始める。
なかには付いてこれず、あくびをする方もいましたが・・・

商品開発から差別化戦略、市場創造へと一気に飛び、消費者とのコミュニケーション戦略や戦術まで話を進め、ついには時間切れとなった。
多くの農業者はまるで怖いものをみるような、違った人種に接したような顔に変わっていた。
唯、質問の時間に移ると、農園主はいつの間にか先生に格上げされていたようだ。

この会での大きな収穫は、実は、以前にも当農園で行ったセミナーに参加して頂いていた40~50代の女性層の目が次第に光を帯びてきたようにキラキラと輝いてきたことであった。今すぐにでもやりたいとの思いが伝わってきた。

その後の懇親会に佐伯市長も出席し、「やあやーご苦労様でした」とのこと。
どこにでも居る市長の顔でした。
二時間の懇親会で、一時間半市長と対座し、その思いは十分に聞いた。
最後にこのように申し上げた。
「官公庁は、いつでも、ことが進行している最中、最後は必ず梯子を外します」
「今まで、7カ市町村の首長さんと地域再生のお話をさせて頂きましたが、いつもそれでした」
「貴方は、何年間市長を続けるおつもりですか?」と聞くと、「ことが成るまで、10年間は続けるつもりです」との回答を得られた。
その顔は市長の顔から、「社長の顔」に変わっていた。


「活きること」PART30

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                      農園直売所

2019.8.7  農園直売所開催と商品開発
 
 農業者が自立していくためには、農協を初めとした流通に依存した量産型・規格型農業では無く、農産物の品質を高め、少量多品種栽培により、消費者への直接販売を基本とした農業を確立していこうと始めた自然循環型農業であった。
高品質野菜販売を行うためには、大分市場は余りにも弱く、そして幼い。
最初は知人縁故を頼り、個別に宅配を行ってきたが、やがて、県外、特に関東市場にインターネット販売を行えるようになってからは、大都市を中心としたネット通販を主力に行ってきた。
唯、品質に頼った口コミによるネット販売の限界も密かに感じてはいた。
特に、農園の研修生も増え、圃場も拡がりを見せ始めた中では、どうしても地元の大分市場への展開は必要と感じていた。
丁度、その頃、「宅配料金の大幅な引き上げ」と「インターネットが使えない」時期が重なる外部環境の急変により、農園は顧客数のジリ貧、売上総額の減少の危機に陥っていた。
さらには、農園主も歳を重ね、体力の限界が見えて来ており、同時に、若い農業後継者への引き継ぎの時期でもあった。
但し、農業の自立とは、農業生産だけでは無く、農業経営も出来なければならない。
農園主は、このような状況の中、若い農人達に自立を促すために、しばらくは動くまいと決意していた。
ほぼ一年間農園主は動かず、手も打たなかった。
7~8年前から次の時代を担うであろう若い農人達を育ててきた。みな、他の農園に行ったら立派にやっていけるだけの能力は持ち、それなりに頑張っており、一人前なのかもしれない。
但し、いつまでも農園主が生産管理を行い、事業の方向性を示し、次に何をやれば良いかを示唆し続けることはできない。
目まぐるしく変化する気候に対応し、野菜を切らせず、生産し続け、また、他の流通には頼らず、自力で販路を確保し、みなで自立していくためには、何かが足らない。
 
それは、おそらくは、主体性の欠如であり、事業を背負おうとする気迫の弱さであり、臨機応変の危機対応能力の経験の無さであろう。単に事業推進の経験が無いだけではないと感じている。
彼らに一番足らないものは、克己心であり、反骨心ではなかろうか。
農園主はそれ故、対策を敢えて示さず、唯、待ち続けてきた。それは私にとって忍耐の塊でもあった。
私は、時代が違うと言われても、常に放置され、叩かれ続け、それでも、一人で悩み考え、途を切り開き闘ってきた世代の一人である。
この厳しい状況をスタッフ自らの力で乗り越え、この危機が彼らの成長を促してくれることを願うしか無い。皆で知恵を絞って、行動を起こし、もっと頑張れと言いたい。彼らの目の奥にその光が灯されることを祈る。

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とは言っても、彼らにこの難局に立ち向かえるだけの知恵も経験も即応力もない。
2019年初春、先ず指示したことは、農園直売所を開くことであった。
大分市全域にマーケットを求めるのであれば、本来は、日曜日オープンであったが、その準備も経験も出来ておらず、主婦である女性スタッフからは、土日は休みたいとの意向が出され、取り敢えず、近隣の消費者をターゲットにした水曜日開催とした。
チラシを配り、団地の公民館に告知広告を貼ってもらい、口コミを誘発した。
土日でないために、熟年主婦層の10数人の常連客ができたが、やはり、共働きの多い若い主婦層は取り込めず、拡がりは弱かった。
団地新聞に掲示し、告知広告を出したり、住宅及びリフォームの「ベツダイ」のキッチン展示場で料理体験会を定期開催したりの活動を行ってはいるが、その効果は薄い。
 
若いスタッフ達が主体となって、インスタグラムやフェイスブックへの投稿も行うようにした。
さらに、幾つかのネット市場への出店をやってみるのも良いだろう。
それなりの告知には役立っているが、大きな拡がりはまだまだ望めない。
 
次には、日曜日農園マルシェの開催を示唆した。今度はスタッフも納得したようだ。
健全で品質の高いややプレミュアムな価格の野菜に対する関心度が今一である大分市場では、野菜だけを目的にした購買活動は弱い。そこで、農園マルシェに手作りのおやつや中間食などの商品群を置くことによって、訪れるお客様を楽しませることにしようと考えた。
アレルギーにも対応できる自然栽培の農園で生産した穀類を使った加工品の商品開発を指示した。
 
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・野菜万頭
自然栽培で育てた古代もち麦と小麦のブレンド粉を皮にした野菜万頭はすでに多くの方からの支持を得ている。野菜の具も美味しいが、何より麦の味香りが噛むほどに伝わってくる。

・コロッケ
 じゃがいも・玉葱は豊富に揃う。玉葱・ニンニクを大量に炒め、豚肉を加えたじゃがいもコロッケ。
衣は自然栽培で育てた麦のブレンド粉でパンを焼き、パン粉を作る。これで小麦アレルギーの子供さん
も食べられるむかし懐かしいコロッケができる。リーズナブルな価格にしようとしている。

・ビスケット・ドーナツ・パウンドケーキなどの菓子類
 ブレンド粉に大豆粉を混ぜ、とうもろこし粉でサクサク感をアクセントにする。
 全て農園の粉で焼いたビスケットとなる。自然栽培で育てた粉は甘みが強
 く、砂糖はわずかにする。

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・弥富パン
 半全粒粉の小麦に全粒粉の古代もち麦で焼いたパン。ハイグルテン小麦粉
 は使用しておらず、アレルギーなどの現代病にも対応できる。従来のパン
 とは異なり、ずっしりとお腹に溜まり、食事パンとして考えた。

 ブレンド小麦粉と自家焙煎した大豆粉を使用した噛み応えのあるやせうま
 となる。

・石垣餅
 ブレンド小麦粉にさつまいもを練り込み蒸かしたおやつ

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ブレンド粉のお焼き(流し焼き)体験会
 クレープ状にして焼いた台に、あんこ・黒砂糖・黄な粉・野菜・ハム・
 チーズ・果物などをトッピングして家族で楽しむおやつ作りを体験。
 
以上に加えて、麦ご飯セット、麦茶、ブレンド小麦粉、蒸し大豆などの加工品を揃える。
 
おやつ、中間食、野菜、穀類、製粉、発酵漬物、醸造味噌などの商品ラインを拡充し、その原料全てを、
自然栽培を行っているグループ内で賄う。当農園で販売する全ての商品が自然栽培による商品群に揃えることによって、健全性を確保し、おそらくは、日本中、何処にも無い農園マルシェとなる。
何より訪れる消費者に、むかし健康であった時代の食生活を体感してもらい、「安心して食べられる」・「楽しんで買える」・「学べる」と言う農園コンセプトを作ろうとした。